@2024/04/08 - エンジニアリングマネージャーとしての戦略
エンジニアリングマネージャーとして今後振る舞っていく中でどういう戦略を取るか、改めて考えるいい機会となった記事を読んだ。これまでは、漠然と「プレイングマネージャーにならないと現場から離れて現場の苦労がわからなくなる」とか「マネジメントっていったい何をするんだろうか?」とか考えたりしていたが、先日読んだ以下の記事にもある通り、"リーダーシップ"が重要なんだな、と改めて思った、というのが端的な感想だ。 これまでは個人のパフォーマンスを最大化するための施策を打ってそれを実行しマネージャーに評価される、という流れだったが、今後はそういった個人を束ねてチームの成果を出すための施策を打つのがマネージャーの仕事。
つまり、会社のビジョンや部の目標のより高い理解と、それを達成するためのチーム目標の策定およびタスク実行によってそれを達成することが端的な"やること"となるわけだ。
決して"メンバーにとっていい人"になることがマネージャーの役割ではない。むしろ、そんなことばかり求めるメンバーを排除していかに"チーム目標達成に貢献できるメンバーを育てるか"が重要だと思った。
業務委託の人のマネジメントもそういった観点で見るとすっきりしそうだ。
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マネージャーの役割は「チームを率いて成果を出すこと」が大前提です。1on1も確かに重要ですが、あくまでピープルマネジメントにおける手段に過ぎません。
エンジニアリングマネージャーとしてあるべきスタンスは、メンバーがその課題に対して自力で解決できない障害に限り取り除いてあげたり、社内外で力になってくれそうなメンバーとつなげてあげる事
そして何より重要なのは、その課題を解決する事で、プロダクトにとってどんな効果があるのかに注力する事
やはり軸とするのはプロダクトの成功のために、課題の本質をとらえる事です。そこを間違えてしまうと、1on1という手段が目的になってしまう
現在はプロダクトの事業成果をまず最優先に考える
メンバーにも、プロダクトや組織に軸を置き、それに対してどうコミットしてもらうかを考える方が、個人の成長角度も高いと感じます。
「プロダクトの価値を高めたり、マーケットで成功するために、エンジニアリングで何ができるか?」の問いを繰り返す事は、マネージャーだけでなく開発組織にとっても効果的
メンバーの目標設定について意識しているのは自主性で、各メンバーが主体性を持つことができれば、そのチームは強くなる
数字や組織状況をできるだけ俯瞰し、システム的にアプローチできる箇所を探すことが重要
なぜなら、ビジネス的な局面や組織のバランス、適材適所の人材配置などを見ずしてソフトウェア設計をすると、エンジニアの思い込みでニーズと異なる開発に進みがち
開発した機能がビジネスに与えた経営インパクト、オペレーションのボトルネックや、ビジネス的なコスト増を意識して見る事で、エンジニアリングで解決できるビジネス課題にフォーカスする事で、開発した機能の精度が上がるのを実感
現在においても突出した人材の創出する価値は変わりませんが、それをいかに早く応用し、ビジネス的に活用するかが重要になっています。クラウドや生成AIの登場により、ビジネス化へのスピードと提供できる価値が問われています。エンジニアリングマネージャーのニーズが増えているのはこのため
「エンジニアリング」とは ... 事象を観察し、得られたデータを分析することで得た知見を次の行動や戦略に反映させる、という意味で本質は変わりません。
イノベーションを促進するための仕組みがエンジニアリングであって、それを最大化するのがエンジニアリングマネージャーの役割だ
エンジニアリングマネージャーは資格ではなく、個々の能力に基づいた役割
「この人は、組織を率いて成果を出す能力を持っているので、エンジニアリングマネージャーに足りうる」と会社が裁量権を与えている
エンジニアリングマネージャーという立場や役割を目指すのではなく「組織を率いて成果を出す能力」をあげる事に注力してほしいと思います。自分のスキルや精神性を常にアップデートすることが重要
戦略とは「目的地に向かうルートを決めるもの」
目的地というのは、大きく捉えればビジョンです。「こういう世界をつくりたい」というビジョンを叶えることが事業の最終的な目的地といえます。
もう少しミクロだと、事業として重要な地点にいくこと、そこに辿り着けるかどうかが事業成功の分かれ目となるタイミング
https://gyazo.com/895107d393c06efd9d8bf90ae7fc3804
より良いルートを選ぶためにはそもそも選択肢を認識することも重要
戦略を描けたあとは「実行計画」に落とし込み、ステップに分解することが重要
戦略は大まかでもよいですが、実行のひとつひとつのステップは詳細を詰めていきます。チームの具体的な行動に落とし込み、明日からの仕事で何をするかまでまで繋げるようにします。
定期的に振り返る機会、その時に大事なのが「戦略」と「実行」のどちらに問題があったか、切り分けて考えること
戦略が正しかったかどうかは、実行ができてはじめて検証できます。
数値目標は戦略が正しく進んでいるかを検証するバロメーターとして重要ですが、目的そのものではありません。
技術的な優位性も作るのが難しくなってきているなかで、「何にどう取り組むか」「逆に何をしないのか」が他との違いをつくる要因になっている