プレインテキストのような書き味をもつアウトライナーを目指して
テキストにはまず直線状の構造(線状構造・一次元構造)があり、その上に再帰的なツリー構造がある。テキストエディタでは一次元構造が支配的だ。
アウトライナーはツリー構造が直接の操作対象になっているところが特徴で、おそらくそのためにテキストの持つ一次元構造については扱いがおざなりになりがちなところがある。バックスペースが効かない場所があったり、ツリー構造を逸脱する範囲選択ができなかったり。
Emacs の Org mode のようにテキストエディタの上に作られたアウトライナーもあって、Scrapbox の箇条書きもそれに近いけど、それらはあくまでテキストエディタとしての挙動が基盤にあって、ネイティブなアウトライナーの感触はそこからは得られない。テキストエディタベースだとバックスペースの結果がアンインデントに近くなることがあって、アウトライナーとしてはあまりうれしくない感じになる。インデントが深めのときにバックスペースをたくさん押す必要がでてきて面倒さが顕著になる。
アウトライナーの操作のいくつかは可逆ではない。たとえばインデントした後アンインデントして元通りになるとは限らない。改行してからバックスペースしても元に戻らないときがある。プレインテキストエディタでは、およそすべての操作が可逆だ。これもテキストエディタに感じる軽快さの要因の1つだとおもう。
スペースやタブでインデントを表現するのではなく、木構造を直接に扱いつつも、まるでプレインテキストのような書き味をもつアウトライナーを作りたい。