基礎研究と税金 ログ 2025-09
「研究は無駄が命なんです!仮に無駄になると分かってても研究に投資してください!」と言ってる人たち、「何で?」と聞かれてちゃんと答えられる?
「その研究が人類の叡智に」とか「技術が進歩するかも」と言われても、「その金を俺たち日本人が出す意味ってあります?」としかならない訳で。
まず
無駄になるかもしれない研究投資を納得させるために必要なのは、「その研究投資が日本人全体の幸福に繋がる」と示すことの出来る理由であり、その理由を示すためには、多かれ少なかれ「ナショナリズム」が必要なんですよ。「日本の研究力が日本の技術を進歩させる」を理由にするためには、 「日本の技術が進歩したら日本人全体が幸せになる」=「日本国民は皆、日本という国に集う仲間であり、その日本という国が栄えれば、当然日本国民は皆その利益に預かれる。」というナショナリズムが必要になる訳で。
「頭の良い人が勝手に研究で盛り上がってるだけでしょ?」となられたら、
どれだけ研究における「無駄」の意義を説かれても、「自分とは関係ない人たち」が金が欲しくて騒いでるんだとしかならない。
そして、アカデミア自ら、そうした研究投資に必要なナショナリズムを否定しちゃってきた訳だから、今の苦境は自業自得。
まず反省して、「日本の国力増強のために
頑張るんで金ください」と言えるようになるべき。
言えない?あらそう……なら自費で研究()してれば?
その関連の議論、以前からまとめになっていますね
基礎医学研究者ですが、「無駄になると分かってても研究に投資してください!」なんて一言も言ってないです。公的研究費の申請書には「どのように社会還元に結び付くか」とか「医療応用」って必ず書かされますし、審査項目になってます。それでも年間100万を採択率20%くらいで争ってるのが現状。
研究に対するリスペクトとかより、単純に研究の余地が減っていってペイしなくなってるだけに見える
Bloom, Nicholas, et al. "Are ideas getting harder to find?." American Economic Review 110.4 (2020): 1104-1144.
通俗的な言葉にすれば《常識的に考えて研究者は価値ある研究から手を付けるだろうが、研究者が増えすぎて『価値ある研究』の種を速攻で取り尽くし、多くの研究者が碌でもない部分で戦ってる、ゆえに納税者の理解を得られなくなった》なんだけど、経済学のmarginal概念への馴染みで理解が変わりそう
ツイ主が言いたいのは
無駄に見える研究も国益に繋がり、巡り巡って自分にも利益があると思ってもらえないと研究費用への投資は得られ難い。だがそういった考えの根幹たるナショナリズムに対し否定的なスタンスをとっていたのは他でもないアカデミア(研究者)側だから自業自得やろ
って感じ?