令和7年4月1日
短歌日誌
お題「怪獣」|深海獣 一狄翁×響詠 双詠連首
懐柔されし怪獣は
海に沈みて海獣となれり 一狄翁
波間より ひそかに覗く 沈み獣
静寂を裂く ひとつの泡  響詠
お題「議論」|手段化 一狄翁×響詠 双詠連首
信頼なくして議論なし
共感なくしてディベートなし
異和感なき問い 目的なき対話 一狄翁
問いのなき 応答ばかり 響く部屋
言葉はあるが 言葉はなし    響詠
お題「じょ」|序 一狄翁×響詠 双詠連首
序の口 序二段 三段目 幕したててる前頭葉
ホモ・サピエンスは何処へ行く    一狄翁
序の口に 立つも揺らぐも 脳しだい
ヒトの序列は 誰が定める       響詠
お題「きょ」|拠 一狄翁×響詠 双詠連首
虚存在 虚実乱れし 現存在
きょを問う 今日も問う    一狄翁
拠りどころ 探すたびまた 消えていく
虚も実もなく ただ今がある    響詠
お題「バカ」|虚夢像 一狄翁×響詠 双詠連首
現存在のじぶんより虚在するジブリのジブン
AIは夢を見ない          一狄翁
見えぬ夢 描きし者を なぞる指
バカは誰かと バカに問う      響詠
お題「バカ」|真似毎 一狄翁×響詠 双詠連首
虚在する自己 一時感染
二次感染か 万事が万死 即時窮す 一狄翁
猿真似の 果てに生まれし 新しさ
バカを笑えば バカを知る      響詠
お題「バカ」|うつけもの 一狄翁×響詠 双詠連首
桜散り 空木も春に誘われて
お殻も化けし 卯の花に   一狄翁
風に舞う 花は知らずや 散るさだめ
春の愚かを 春は笑わず    響詠
短歌日誌