アール座読書館
初めて行って、謎の感性をくすぐられてしまったのでメモっておく。
現実離れした空間。少し重いドアを開けると、薄暗い部屋に点々とランプが灯っている。独特なスパイスの香り。
この時点ですでに何か世界に圧倒されてしまっていて、緊張感が高まってしまう。
見渡すと、小さな木の机に狭い通路、生い茂る謎の植物、大きな本棚、フクロウの置物、神秘的なミントグリーンの壁。黙々と机でなにか書き物をしている人や本を読んでる人がいる。
ここまで来ると本当に異世界の人達がいるんじゃないかっていう雰囲気。異邦人の気持ちになってくる。
とても静かな空間。聞こえるのは物音と静かな音楽、水槽の水の音くらい。一歩踏み出すのが怖くなるくらいの静けさ。
座ってもふわふわした居心地なのは変わらない。
店員さんは丁寧な所作で、なんというか無機質な感じ。無機質というのは悪い意味ではなくて、単に利用者に案内をしている任を持っているという意味での無機質感で良い意味で素っ気ない。空間との相性が自然すぎて、呑まれるような感覚になる。
訪れた人が書き残したメモ帳。これがいろんな人のストーリーが詰まってて面白い。気づいたら3h近く読んでた。
この場所に来た時だけ書けて、見れる、そんなメモ帳になっている。日記みたいに書いてる人や、絵を描いてる人、来たよ記録を残してる人、物語を描いてる人、ほんとにいろいろ。もちろん手書きなので文字も人それぞれ。書いてる人はだれかに届けるわけでもなく、たまたまたどり着いた人だけが読めて、なにか返事があるわけでもない。たまたまその席に座ったときに、ノートを通じて過去を見ることができる。そんな場所がすごく良いなと思った。
Webとは真逆な世界。すこし枯れてた部分が潤うような気持ちにさせられる。
こういう時に職業病なので、この場所がデザインされた意味とかを考え始めてしまう。場所があって意味が生まれてくるのか、とか。別に場所を模倣したくなってるわけではないのだけれど、なにかのヒントにならないかなと考えてしまう。
次はココじゃなくて、席のメモ帳に書き残してみようかな。
また行ってみたいと思う。