2050年ネットゼロ
2023年9月
CC BY 4.0
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このレポートについて
2021年5月、IEA(国際エネルギー機関)は画期的なレポート「Net Zero Emissions by 2050: A Roadmap for the Global Energy Sector(2050年までにネット・ゼロ・エミッション:世界エネルギー部門のためのロードマップ)」を発表しました。このレポートでは、世界のエネルギー部門が、地球温暖化の上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑えるというパリ協定の目標に貢献するための、厳しくも実現可能な道筋を示しました。この「ネット・ゼロ・ロードマップ」は、政策立案者、産業界、金融界、市民社会にとって重要な指標として瞬く間に受け入れられました。 本レポートの発表以降、とりわけ2022年2月のロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされた世界的なエネルギー危機の中で、多くの変化が起きました。また、エネルギー部門の二酸化炭素排出量も増え続け、2022年には新たななる記録を更新しました。しかし、一方で楽観的に捉えられる要素も増えてきています。この2年間で、主要なクリーンエネルギー技術の開発と配備において顕著な進歩が見られたのです。 2023年の「ネット・ゼロ・ロードマップ」へのこのアップデート新は、複雑雑で動的な状況を調査し、2021年以降に起こった重要な展開を考慮に入れた、2050年までのネット・ゼロへの最新ロードマップを提示します。
このレポートは、パリ協定の最初のグローバルな総括的評価(Global Stocktake)を支援するIEAの活動の一部です。この評価は、2023年末に開催予定の国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)の前段階で完了します。本シリーズの他のレポートについては、IEAの「Global Energy Transitions Stocktake」ページにてご覧ください。