美の条例
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1996年4月25日 第1版第1刷発行
A5L・288頁・定価 本体2800円+税
五十嵐敬喜・野口和雄・池上修一著
ISBN 4-7615-2153-8
真鶴町という1万人のコミュニティで、 まちづくり条例・美の基準の制定、 公共建築の建設に携わった著者らが、 その体験を通して旧来のまちづくりの転換を提言する。 真の町の豊かさを「美」という概念で捉え、 法律・都市計画・建築という専門領域を超えて、 徹底した民主的プロセスで新しいまちづくりを実現した方法を詳述する。
はじめに----何かが生まれた
第1章 条例の誕生
1 真鶴町とは
坂の町 17
良好な入江 18
トロッコ 18
頼朝 19
御林 20
生き物 21
祭り 21
海の仕事 24
山の仕事 25
畑の仕事 26
もてなす仕事 28
町のたたずまい 29
2 開発ラッシュ
「アーバン・ルネッサンス」によるダメージ 32
リゾートマンション開発 33
役所と議会の対応 34
「白地地域」 36
開発容量とインフラの限界 37
水に限界 39
3 水の2条例
開発モラトリアム条例 40
法的に危うい開発モラトリアム 41
第2章 条例をめぐる環境
1 日本の土地利用規制
「国家高権」 44
自治体の抵抗 45
「指導要綱」 46
新都市計画法 47
規制緩和 48
2 「指導要綱」から「条例」へ/まちづくりの静かな革命
まちづくりに厳しい判決 53
3 都市計画法の改正をめぐって
都市計画法の改正の発端 55
野党案 56
成立した改正都市計画法 58
第3章 ブレーク・スルー
1 策定手続き
条例策定の過程 64
庁内プロジェクトでの条例案策定 64
合意形成と論点 66
県「風致地区」の切りはなしの理由 68
住民と町の判断 69
2 緊張関係
神奈川県の条例審査 70
条例は制定できない? 73
県との争点 74
地方分権と創造法 82
3 全文解説
「まちづくり条例」の構成 85
「総則」 87
まちづくり計画 89
「まちづくり計画」の決定プロセス 91
真鶴町独自のゾーニング 93
「美の原則」 95
「まちづくり審議会」 97
建設行為の基準 99
デュープロセス 99
地区まちづくりの推進 102
その他 104
施行 104
経過措置 104
条例の制定 105
第4章 「美の基準」
1 「美」とは何か
景観を超えて--すべての地域、 すべての人々のあらゆる行為に適用されること 108
「美の原則」 111
一つのヒント 111
「美の原則」と「キーワード」 115
パタン・ランゲージ 118
町の声 120
「パタン」と「キーワード」 121
「キーワード」と「パタン」の違い 123
パタンと法の技術 126
ファサード規制を超えて 129
言葉 132
参加の機会 133
地域の質と普遍な質 136
2 「美」の共有
「美の基準」は「ファシズム」か? 139
超高層ビルディング 140
美を共有する喜び 143
第5章 美の実験(コミュニティセンター)
1 参加のプロセス
アンケート 149
建築家のラブレター 152
建設委員会 153
ヒヤリング 155
敷地を歩く 156
ボリュームモデリング 157
「美の基準」へのアプローチ 158
1/100のスケールで見えるもの 160
「美の基準仕様書」と詳しいモデル 161
公共建築の壁を超える 170
職方と総合建設業(ゼネコン) 172
2 材料のプロセス
材料を探す 174
足もとを見る 175
モルタルをつくる 176
木を探す 177
御林を探す 178
開発行為地の松 179
地場の木と流通の材木 180
石を探す 180
間知石 182
新しい積み方への挑戦 182
木っ端石を積む 183
植物を見る 184
2センチ花壇と「植物秘伝書」 186
生活を語る形はないか? 187
生きること、 自然にある形、 装飾の語彙 188
3 言葉と形
4 コミュニティセンター
第6章 デュープロセス
条例とデュープロセス 214
プロセスの中からまちづくりは生まれる 216
美を実現するプロセス 217
「美の基準」リクエスト 217
事前協議 218
住民説明会 220
公聴会 221
報告書の縦覧と不服請求 225
議会の議決 226
議会 229
第7章 終わりなき道
1 マスタープランの限界
(1)マスタープランとは 241
「市町村マスタープラン」 241
「市町村マスタープラン」の内容 241
マスタープラン策定の手続き 243   
(2)マスタープランの問題点 244
システムの欠陥 244
決定されていない 247
整合の義務がない 247
実現の責務がない 248
リアリティのない文章 249
参加がない 250
マスタープランは有機的秩序を生み出さない 250
固定的未来を描く 252   
(3)マスタープランの限界を乗り越える 253
アレグザンダーの批判 253
マスタープランおよびパタン・ランゲージの限界 255
2 新しいマスタープランの実験
マスタープランの新しい意味づけ 261
真鶴町「まちづくり計画」の試み 262
マスタープランを作成するにあたっての基本方針 262
「終わりなき道」の始まり 269
あとがき
資料
米国の成長管理政策とデュープロセス
米国のマスタープラン
真鶴町「まちづくり条例」
真鶴町「まちづくり公聴会規則」
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