第3章 パタン・ランゲージ
※要約
Christopher Alexanderによる一連の実践研究は、コモンズアプローチを構想するにあたり、最も重要な研究系譜として位置付けられる。本章では、Alexanderの取り組みをレビューすると共に、コモンズアプローチの構想において参照すべき課題と可能性を仮説として整理することを試みる。
研究課題は以下の2点に設定する。
1つ目は、Alexanderの研究軌跡において、現代の文脈から見て応用可能性のあるパターン言語(PL)の時代を明らかにすることである。PLの主要概念を確認しながら、研究軌跡を区分し、本研究が批判的に継承できる部分を確認する。また、ソフトウェア領域でのPLの受容から、注目され応用された部分を検討し、PLの手法としての応用可能性を見出す。
2つ目は、Alexander本人によるPLの開発・運用における課題を明らかにし、PL理論を批判的に継承・応用するために必要な視点を設定することである。継承可能な研究区分の特徴と、他研究者からのAlexanderやPL理論への批判を踏まえ、コモンズアプローチへの応用が可能な視点を導き出す。
3.1.1 言葉の用法
3.1.2 パタン・ランゲージ
3.1.3 パタンについて
3.1.4 ランゲージについて
3.2.1 形の合成に関する研究
3.2.2 セットという概念
3.2.3 パタンという着想
3.2.4 関係のデザイン: Tendency, Form, Context
3.2.5 二つのパタン・ランゲージ
3.2.6 システムデザイナーとしての建築家
3.2.7 無名の質
3.2.8 パタン・ランゲージ理論の完成
3.2.9 「生きた構造」の探求
3.2.10 既存の社会システムとの闘い
3.4.1 パタン・ランゲージの建築・まちづくり領域における展開
3.4.2 パタン・ランゲージのソフトウェア分野への展開
3.5.1 パタン・ランゲージに対する批判
3.5.2 モラル・コンポーネントの再設定
3.5.3 コンテンツの更新可能性
3.5.4 記述形式の発展可能性