Teach-back: A systematic review of implementation and impacts
患者の理解をよく阻むものは医師による専門用語の連用であり、あるシステマティックレビューは医師への相談において使用される専門用語を患者はよく誤解するため彼らの状態について明確な説明を望んでいると報告している。
もう一つのヘルスケアコミュニケーションの大きな課題は与えられた情報を思い出すという患者の能力である。
思い出す能力は治療のアドヒアランスおよび転帰改善のための重要な橋渡し役であると考えられている。
Teach-backは医療従事者が患者へたった今話したことを自分の言葉で説明することを患者へ頼むことを伴う。
全ての誤解がそのときに医療従事者により明らかにされ、理解を再度確認される。
このプロセスは与えられた情報を患者が正確に思い出せるまで続ける。
Teach-backの使用は慢性疾患患者において知識、スキルおよびセルフケアの能力を改善させることが示されている。
Teach-backはいくつかの方針文書、意見表明書においてヘルスリテラシーに基づくコミュニケーションアプローチとして推奨されている。
このような推奨および使用が容易にもかかわらず、Teach-backは一貫して活用されていない。
2型糖尿病患者を含む研究は、通常のケアと比べてTeach-back後の服薬アドヒアランス、食事の変化およびフットケアの改善を報告した。
二つの研究は心不全患者の再入院を測定し、どちらの研究も再入院率の軽度の減少を報告した。
COPD患者におけるTeach-backを用いた適切な吸入手技の実演は、二つの研究において吸入手技の改善に繋がった。
調査した研究の中で最も用いられた実現戦略はTeach-backを行う医療従事者のトレーニングと教育であった。
教育セッションはしばしば構造化され、患者のニーズへ合わせたTeach-backの重要性に焦点が合わせられており、それはベストプラクティスコミュニケーション技術を反映した。
しかしながら、教育は新しい介入を導入するためには必須である一方、トレーニングのみでは進行中の変化への影響や標準的な臨床診療への取り込みには不十分であることは十分に確立されている。
実践の成功には、実践計画やフレームワークにより導かれる多角的アプローチが必要であり、改善のために確認された要求、利害関係者および医療サービス間の協力、フィードバックへ応じる柔軟性、業務の変化を促すためのデータの使用、変化を受容する文化を組み入れる。
このレビュー内の研究間で一つのみがERICフレームワークにおけるほとんど全ての実践戦略を使用していることを報告している。
その著者らは実践のための段階的なアプローチをしており、はじめに集学的なワーキンググループを設置した。
このグループは構造化されたTeach-backプロトコルを開発した。臨床家は患者ごとの主要学習者の同定を学び、オンライン学習モジュールを通してTeach-backの教育を受けた。Teach-backの促進とフィードバックは患者のEMR(電子カルテ)内で提供された。Teach-backチャンピオンが育成され、個々の病棟へ割り当てられた。
この精密かつ組織的な実践計画は患者の疾患への理解の改善をもたらし、患者教育におけるTeach-backの使用についての看護師間のコンプライアンスを改善させ、実践後1年間の心不全患者の再入院率を低下を維持させた。
プロセスの評価の面から、実践の厳守を評価した研究は今回のレビューでは見当たらなかった。
我々のレビューの主なメッセージは、Teach-back法を評価する介入試験での実践厳守の報告を改善する必要がある、ということである。
診断および治療の理解には中等度から高度のヘルスリテラシーを必要とする。
少数の研究がリテラシーレベルが異なる患者間での理解と思い出す能力の改善へのTeach-backの有効性を調査しているが、ヘルスリテラシーが低い患者は医療情報の理解や思い出す能力が低いことは十分に確立されている。
レビュー内の三つの研究は、参加者のヘルスリテラシーを測定しており、Liuらのみが転帰としてヘルスリテラシーの変化を測定している。
高齢者のこのRCTにおいて、ヘルスリテラシースコアは対照群と比べてTeach-back群で有意に増加した。
2番目のRCTは、ヘルスリテラシーが乏しい患者間でTeach-backは標準的な救急部退院の指導と比べて救急部退院後のケア(服薬、セルフケアおよびフォローアップの指導)への理解を改善させることを報告した。