Cotrimoxazole - optimal dosing in the critically illを読んだメモ
Pharmacokinetics
TMP(トリメトプリム)およびSMX(スルファメトキサゾール)はどちらも主に腎臓から排泄される
SMXの約20%は肝臓でN4-acetylsulfamethoxazole(抗菌活性なし)に代謝され、その後尿中に排泄される
TMPの10-20%もまた肝臓で不活性代謝物に代謝され、尿中に排泄される
2 mcg/mLを超えるTMPの最小血中濃度はTMP160mg1日2回の投与量で維持できる
Renal dysfunction
数十年間、TMP/SMXが利用可能だったにもかかわらず、多くの広く使われている治療と同様に、腎機能障害患者における最適な投与量に関する発表されたデータは利用できない(注:引用文献から、以前の腎機能障害患者での投与量調整に関するデータはSCr(血清クレアチニン)がJaffe法だった等々の現在との違いがあったためだと考える)
未変化体SMXとTMPの両方の排泄が腎機能と直線的に関連した
最も強い関連が、SMX代謝物のクリアランスと腎機能間で見られた一方、未変化体SMX濃度は腎機能の幅広い幅にわたって一定であった
通常の腎機能の推奨投与量を用いることで、未変化体SMXの通常の腎機能患者と同様の濃度が重篤な腎機能障害患者でも達成可能であった
SMX未変化体の半減期の推算式 39*(CrCl)^-0.29
SMX(未変化体と代謝物)は通常の腎機能患者と同様に腎機能障害患者の尿中から回収されるが、腎機能が低下するにつれて未変化体は減少する(腎機能が低下するについれて代謝物が増加することを示唆)
クリアランスの増加の影響は臨床的にも文献的にも推定できないが、通常の腎機能患者と同等の薬物濃度を生み出すのに関連してるかもしれない
腎機能障害時の活性(未変化体)SMXの蓄積不足は、代謝物に抗菌活性がないことから、治療への大きな影響がある
腎機能障害患者を治療するときにSMXを減量するなら、クリアランスが障害されず、むしろ増加するかもしれないことから、未変化体SMXの濃度が減少し、潜在的に治療効果を減少させるだろう
TMPの半減期の推算式 28*(CrCl)^-0.13
TMPも未変化体および代謝物は、投与量を減らさない限り腎機能の低下により蓄積するだろう
Liver dysfunction
SMXおよびTMPの薬物動態は肝機能障害によって変わらない
Dialysis
いくつかの限られたデータは、透析によりSMX代謝物とTMPは効果的に除去されることを示している
Toxic concentration
TMP/SMXの毒性の一部(高カリウム血症、4型尿細管性アシドーシス)は予測可能であるが、予測不可能なものものある
予測不可能な毒性のいくつかは濃度が関連していると考えられるが、必要な濃度は分かっていない
報告されている症例の投与量、患者の体の大きさおよび腎機能から、毒性が見られるのに必要な濃度はTMP15mg/kg/dayの治療を受けた患者と同等もしくはそれ以上と予測される
腎不全患者におけるSMX代謝物の蓄積も濃度に関連した毒性の可能性を増加させると考えられる
特異的な毒性
アレルギー的皮膚反応
胆汁鬱滞
溶血クリーゼ
肝炎
間質性腎炎
メトヘモグロビン血症
多臓器不全症候群
膵炎
耳下腺炎
スティーブンス・ジョンソン症候群
血小板減少症
トルサード・ド・ポワント
濃度依存的な毒性
失行症
せん妄
高カリウム血症
低血糖
無菌性髄膜炎
代謝性アシドーシス
ミオクローヌス
精神障害
腎尿細管閉塞
振戦
Pharmacodynamics
殺菌と関連する薬力学的パラメータ(濃度or時間)は明らかになっていない
TMP/SMXの抗菌活性は時間依存性であり、特定の微生物への殺菌活性は濃度依存性である可能性がある
Target concentrations
Pneumocystis jovenii
Pneumocystis joveniiの発育阻止のための目標濃度は最大血中濃度でTMP 5-8 mcg/mL、SMX 100-200 mcg/mLであると考えられる
Dosing recommendations in the critically ill
Pneumocystis jovenii, Stenotrophomonas maltophilia, Burkholderia pseudomallei or Nocardia spp. infection : 15 mg/kg/day TMP IV or PO (with corresponding 75 mg/kg/day SMX).
腎機能障害患者
eCrCl > 30 mL/min : 減量なし
eCrCl = 15-30 mL/min : 半量
eCrCl < 15mL/min : 減量しない限りSMX代謝物が潜在的な中毒濃度まで蓄積する可能性があるが、減量すると活性体SMX曝露が不十分になるかもしれないので避ける
透析患者: 4時間透析後に7.5mg/kg(最初の24-48時間は15mg/kg/day)
CAPD : eCrCl<15と同様
CVVHDF or slow EDD : Pneumocystis joveniiおよび同等の感染症の場合15mg/kg/day; 不十分な濃度を避けるためCVVHDFでは過少投与は避ける
肝不全患者 : 投与量の調整不要