2021年11月20日 宮城県病院薬剤師会 感染対策セミナーメモ
高齢者の誤嚥性肺炎・尿路感染症の診断を頭から信じない。除外診断で絞っていく
血液培養を取ることが大事
第3世代セフェムがIやRの場合、ESBLを疑う
PIPCでRでMICがやたら高いのも
セフメタゾールとセフェピムがSなのもESBLに多い
尿中では抗菌薬が濃縮されるので、尿路感染症のブレイクポイントは菌血症のブレイクポイントよりも甘くても効く
喀痰は性状とグラム染色の結果を合わせて考慮する
高齢者の感染症は軟部組織や胆管炎が多い
認知症の患者さんでは顔を見て疼痛の有無を探る
寝たきりの患者では必ず臀部を見る(褥瘡からの感染の可能性を疑う)
主治医との気持の共有
感染症の自然経過を知る
敗血症で治療1週間後も血液培養陽性の場合、合併症(感染性心内膜炎、膿瘍、血栓性静脈炎など)がある可能性
合併症がなければすぐに陰性化する
敗血症で血液培養を再検する理由がここにある
カテーテル感染で皮下に所見がなければロック療法を試みるかもしれない(CNSにはエビデンスあり)
診察・患者の話を聞く・検査結果、これらを絡めて臨床推論を行う
臓器(ソース)を探した後、微生物を類推する
炎症反応だけでなく、臓器特異的パラメータもフォローする
抗菌薬開始後、感染症なら良くなるか、悪くなる
良くも悪くもならない(引き分け状態)場合、ソースコントロール、膿瘍の有無を調べる
臓器周囲の膿瘍はドレナージが必要
壊死性筋膜炎は見た目は性状だが、やたら痛がって、バイタルエリアが悪い
広域抗菌薬でいくのか、狭域抗菌薬でいくのかは症例によって異なる
命を落とすような疾患は広域抗菌薬で治療開始する
抗菌薬を開始するときにやめどきを想定する
例えば長期の治療が必要な感染症(慢性骨髄炎、亜急性の感染性心内膜炎)では広域抗菌薬を踏むとどまった方がよい。できれば起炎菌の同定を待ち、内服薬でも治療できる抗菌薬を選択する