Lateral Septumでリップルの情報が圧縮される?
Neuron
Available online 26 November 2019
DavidTingley, GyörgyBuzsáki
外側中隔核(lateral septum)とCA1,CA3のLFP, スパイクをシリコンプローブ記録
・LSのLFPで120-180 Hzの振動HFOがみられる。この時のスパイクは谷に集中している。また、リップルよりdurationが短く、frequencyが遅い。(Fig. 1)
・HFOはLSのみで発生する(Fig. 2)
・HFOの伝播方向はposterior→anterior, medial→lateral, dorsal→ventral(Fig. 3)
・LSニューロンの発火率は場所によって変わらず、スパイクタイミングがΘ位相前進していく(Fig. 4A)
・LSニューロンのペアワイズスパイク相関をPRE, familiarなリニアトラック課題中,POSTで比較するとPREとPOSTが類似している。(Fig. 4)
・ほとんどのHFOはSPW-Rに付随して生じる(先んじる場合も後に生じる場合もある)。覚醒時よりNREM時のほうがリップルとカップリングして生じやすいし、波形、発火率の相関も高い(Fig. 5)
・LSのGABAニューロンを光遺伝学で活性化するとHFOを誘導できる(Fig. 6)
・SPW-Rの様々な特徴量からLSのスパイクを予測できるか確かめたところ、リップルに参加する海馬ニューロン数やリップルに参加するニューロンの解剖学的深さ、NREMかAWAKEかという脳のstateは20%以上のLSのスパイクが有意に予測できる。(Fig. 7)
・逆にリップル中のリプレイスコア(rank order correlationなど)からはLSニューロンの発火は予測できなかった(Fig. 7)
・前報(Tingley 18)で用いていたHPC-LS回路モデルを使用。LSは場所に対するrate codingは持たず、Θphase codingのみを持つとしたところ、海馬で圧縮したシーケンス(リプレイ、リバースリプレイを模して)を入力すると、LSにおいては反応するrank orderは保たれないが、多ニューロンの同期的な活動が見られた(Fig. 8)
Lateral Septumの解剖学的には皮質下に情報を送る。その機能としては、不安や攻撃性、文脈記憶、摂食、空間記憶、性行動、社会性記憶、報酬と中毒、endocrine反応とストレスなどなど様々なものが考えられており、とてもカオスだ。海馬の出力を受けて、LSが皮質下のそれぞれの領域へ選択的に情報を送ることで(フィルターをかける)ゲーティングしているのではないか?と考察していたが、そこはまだクエスチョンのようだ。
とても意味ありげな論文に見えて、よく読んでみたらその後の展開がまだよくわからない感じでした。