長時間の学習により多様体外の神経活動が現れる
https://www.pnas.org/content/early/2019/06/06/1820296116
New neural activity patterns emerge with long-term learning
Emily R. Oby, Matthew D. Golub, Jay A. Hennig, Alan D. Degenhart, Elizabeth C. Tyler-Kabara, Byron M. Yu, Steven M. Chase, and Aaron P. Batista
PNAS first published June 10, 2019
Neural constraints on learning (https://www.nature.com/articles/nature13665) の著者Batistaラボからの続報。
manifold外にターゲットを置くBCIタスクは一日では学習できないことをNatureで示していましたが、10日程度続けると神経活動が微妙に変化してmanifold外の活動が現れてくるそう。
・タスクはNatureの論文と同じでBCIコントロールによるコンピュータ画面上カーソルのCenter-outタスク。日を重ねるごとにタスクの成功率が向上(Fig. 1)
・日ごとにmanifoldを二次元上に射影してみると、一日目のmanifoldの外の活動が確かに存在している(Fig. 2)
・このタスク自体は実はinside-manifold strategy(多様体内の活動でもベクトルの射影成分によりターゲットへの到達を稼げる)ので、一日目でも多少成功はする(Nature論文でも同様)。タスクの正解にいたるoutside-manifold strategyの寄与率も計算できる。すると、ターゲットの方向によってはoutsideの寄与率が高いものも低いものもあった。全体的にはinsideの寄与率の方が大きい(Fig. 4)。
感想
・最近、Kennth HarrisのNature(https://www.nature.com/articles/s41586-019-1346-5)、Science(https://science.sciencemag.org/content/364/6437/eaav7893.editor-summary) といい、自分の仮説をぶった切ってくれる論文が続出してとても楽しい。脳単独でも多様な感覚経験、反復経験で高度な情報処理ができるようだ。
・AIとの融合で学習を加速し、大胆にoutsideへ向かわせたりしてみたい。