遺伝子とジェンダー
この本は、生物学の言説がジェンダー差別をいかに支えてきたかを批判的に分析した作品。生物学者でありフェミニストでもあるルース・ハバードが中心となり、科学における性差は生まれつきという考え方の問題点を明らかにしている。
「女性の役割」や「性差」が、遺伝的・生物学的に「当然のもの」とされてきた歴史を批判 生物学そのものが、中立的な事実の探求ではなく、しばしば社会的偏見を反映していることを指摘
科学は単なる「真実の発見」ではなく、社会的・政治的力学の中で構築される営みであるという立場
1970年代以降のフェミニスト科学批評運動(フェミニストSTS)に連なる重要な仕事。科学そのものを問い直すアクティビスト的姿勢を持つ。