病理診断報告書の書き方の例
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はじめに
東大方式・慶応大学方式・京都大学方式など所属施設の方針および上司の意向に従ってください
→ (参考)病理診断に直結する切り出しのキモ(文光堂・病理と臨床連載)
→ (参考)どどたん JK WAKWAK 病理診断 病理診断報告書の書き方 2018年9月30日日曜日
病理診断報告は、診断(英語)と所見(日本語)に分かれており、その両方の記載をもって完成する。
診断部分は半角英数、所見部分は日本語全角入力をおこなう(英数はすべてにおいて半角)。
改行は原則として臓器もしくは診断が別になるときに行う。読みやすさを考慮した改行は許容する。
nananana.icon 診断部分は半角英数、所見部分は日本語全角入力をおこなうこととし、入力規制がデフォルトで決定されていることが望ましい。これも検索システムに正しく乗せるため必須。所見部分での英語数字表記は半角英数に限定する。英語は略字以外大文字で書かないこと(視認性を検討すること)。
nananana.icon ここでいう検索システムとは院内独自のものを指さない。病理学会でいう剖検輯報など、がん登録やDPCなどの国内(世界?)規模のデーターベースでテキストデータを扱うことを想定する。
英字表記の参考文献
* the Mac is not a typewriter Peachpit Press; 2版 (2003)
nananana.icon 文頭を大文字にするのか、コロンの後を大文字にするのか、ピリオドを使うのか省略するのかについては言及しない。検索システムにおいて大文字小文字を区別しないことを確認する必要がある。英数字の前後の半角スペースの利用や全角数字を許容するかについても同様に言及を避ける。
nananana.icon 検索システムのゆらぎやバグを回避するため、認識しづらいスペースや記号は極力入力しないようにする。記号やスペースを入れることで独自の検索方法を導入するなどは避ける。
診断部分に臓器や手術法を記載する場合は、コロンの後に病理学的診断を続ける。改行の必要は無い。
臨床医の誤読を避けるため、迅速標本(凍結標本)であれば、最初に迅速診断であることを明記する。
nananana.icon 迅速診断を最終診断と臨床医が判断する可能性を少しでも減らす。
組織診断に続けて、スコアリングや評価、断端情報を追記してもよい。
診断項目ごとに改行+大文字で開始することで、区別を行う。
診断名には略称を用いない。所見において、略称を用いる場合は定義してから使用する。
異なる臓器から採取された検体について一括で診断を述べることは避ける。
腫瘍の診断は癌取扱い規約などに従って記載する。ICCR・WHOでの記載をおこなう際は臨床医と相談すること。
診断部分で 記載された内容は、所見部分で日本語で記載されている必要がある。
nananana.icon 組織診断に定型的な組織所見の記載は同語反復でありデータとしての価値に乏しいとの意見より、診断は英語で、所見は日本語で記載することを提案する。
検体の状態は必要に応じて記載する。
評価対象とした臓器・検体
観察可能であった所見
臨床的な検索目的を満たす検体であるかの評価
病変の大きさは cm で最大径ないし縦横 ( _ x _ cm)を記載する。規約により単位は異なる。
肉眼診断測定はcm、顕微鏡診断測定はmmが自然。
nananana.icon ×、X、x、*、*は×(かける; 全角)を使用する。
免疫染色をしている場合は、免疫染色結果について必ず記載する。
各々のブロックに独立した名称をつける(名称もしくは番号1、2、3・・・とする)。ブロック番号は通し番号にする。意味なく欠番を作らない。システム管理上および視認性を考えると、名称(省略可)+通し番号が望ましい。
必要があれば肉眼写真などを添付し、切り出し図を作成する。
切り出し時にマーキング(インク)をつけた場合には、肉眼所見として記載する。
脱灰操作、特殊染色や遺伝子検査をおこなったブロックを記載する。
nananana.icon 内科診断学におけるSOAP記載法を意識した所見記載を心がける。所見Oと考察Aと提案Pが区別困難な記載をおこなわないようにする。報告システムにおいて備考欄のみではなく、APを別に記載できる書式が望まれる。
追加情報
他施設からのスライドやブロックを診断する場合、他施設名、スライド標識番号と染色、枚数を記載する。
追加訂正
変更した内容の説明を所見部分の最初で記載する。
前回報告の内容を転記する場合は、今回報告と区別できるようにする。
特に重要な訂正報告がある場合は、担当者への連絡をとる。電子カルテにあるメッセージ機能を第一に使用することを推奨する。電話で連絡する場合は病理報告システム上に報告内容を記録する。
術中迅速と永久標本の診断が食い違う場合は,異なっていることを記載しその理由についてコメントする。
顕微鏡写真の添付
nananana.icon 顕微鏡写真の添付を積極的に行う。他のモダリティにおいては、印刷やフィルム記録からデジタル画像管理へ移行するに従い、画像の添付が必須となっている。
その他
診断に関連していれば規約・論文などの記載を行う。
外部コンサルタントの意見は、同意するか否かに関わらず、診断の最終責任は自院の報告者(依頼した病理医もしくは担当医)にある。ただし、自院病理医(担当医)の把握不可能なコンサルトにおいてはこの限りではない。
nananana.icon 病理診断の最終責任は病理医にあるが、患者の診療における最終責任は担当医にある。