乳癌取扱い規約第 19 版
* 2024 年度希少サブタイプ・乳腺エキスパート育成講習会(2024 年 12 月 21 日)
乳癌取扱い規約第 19 版改定の考え方と概略
! 病理学会は構成メンバーのメインではない 病理8人、臨床7人
今回の規約改定については乳癌学会評議員の手あげ制
妥協と折衷案で完成された
臨床的事項
病理学的事項(第2部)
HER2・PD-L1・RFA
WHO5th
18版での不明瞭であった点を明瞭とする
浸潤性乳管癌の3分類の代わりに画像反映分類とする
バイオマーカー・ゲノム
組織学的治療効果判定の各々に係る概略を説明します。
第1章
前駆病変・非浸潤性小葉腫瘍の独立
非浸潤癌
非浸潤性乳管癌・DCIS
非浸潤性充実乳頭癌
被包型乳頭癌
Paget病
1mmの浸潤基準が進展により区別することに変更
表皮限局
非浸潤癌
微小浸潤癌
浸潤癌
真皮浸潤は
肉眼分類
組織間質量・浸潤形態による分類
特殊形態・パターン
面積が広い順に主診断とする
浸潤性充実乳頭癌・浸潤性乳頭癌
乳頭状腫瘍の分類
第2章
切り出し方法記載
肉眼系分類
浸潤形態と肝質量
グレード分類
組織グレードを先にする
pT4bの件
乳頭状病変の分類と診断のポイント
乳頭状病変の組織型について
WHO 分類と規約分類の関係性
各組織型(亜型)の特徴
乳管内乳頭腫
p63・CK14モザイクパターン
非浸潤性乳管癌DCIS,乳頭型
CK14陰性・p63内部陰性
非浸潤性充実乳頭癌
被包型乳頭癌
筋上皮が無いこともあるが、あっぱい性浸潤としない(予後が良い)=DCIS
EPC with Invasion
浸潤性充実乳頭癌
神経内分泌マーカーがそまる SPC in situ
浸潤性乳頭癌
極めてまれ
良悪性および亜型分類の診断ポイント
診断のポイント,注意すべき点,マネジメント
乳頭腫・乳頭癌
茎にp63陰性(筋上皮無し)ならがんとできる
非浸潤・浸潤
Low・High
high gradeならCK陽性になりうる
針生検および切除検体で
癌でなくても高分子ケラチンは1層では陰性になる
乳頭状ならp63優先
充実性ならCK優先
3. 「非浸潤性小葉腫瘍・Paget 病」(堀井)
pTiS LCISは規約では消えない(TNMでは消えた)
第 19 版規約分類
非浸潤性小葉腫瘍 新設
異型小葉過形成 ALH 切除後に両側の乳がんの発生リスクが4倍程度あるため、初期腫瘍性病変と考えられる
量的基準
腫瘍細胞8個分の長さ以上なら拡張とする
質的基準
非浸潤性小葉癌 切除後に浸潤癌の発生リスクは8倍程度
非浸潤性小葉癌の亜型
浸潤性乳癌との関連、取扱い
異型小葉過形成
非浸潤性小葉癌 亜型まで診断すること
古典型
開花型
多形型
第 18 版規約分類と第5版 WHO 分類との間で Paget 病に対する考え方には差異があり、今回の規約改定作業ではその点が議論となった。議論の経緯を共有し、第 19 版規約分類での Paget 病に対する考え方を紹介する。
Paget 病
3×3表
4. 「その他の変更点」(坂谷)
規約改定によって行われる変更点について,いくつかを紹介する。
肉眼型分類
原発巣の大きさの測定,記載法
浸潤径の大きさの測定,記載法
浸潤形態と間質量についての記載
pT4 の記載
バイオマーカーの判定,記載法(ホルモン受容体,Ki-67)
治療効果判定について
高度の変化には癌細胞の消失も含まれるため、腫瘍が縮小した場合には想像して判定すること
MDanderson