<日本語の作文技術>
<日本語の作文技術>
(わかりやすい文章を書くために)
特許明細書は、技術を開示するための文書であり、その代償としての保護範囲を決定するための権利書です。また、これまで述べたように、種々の開示要件を満たす必要があります。そのために、大原則として、正しい日本語でわかりやすく発明を表現する必要があります。ここでは、わかりやすい文章の書き方を学ぶための最良の教科書として、本多勝一氏の「日本語の作文技術(以下、作文技術という)」をお勧めします。以下のシリーズがあります。
なお、この本をよりわかりやすくまとめた「わかりやすい文章を書くために」という本がすずさわ書房から出版されていたのですが、残念ながら絶版となってしまいました。
本多勝一氏は、その著書の中で、わかりやすい文章を書くための種々の法則、テクニックを披露してくれています。特許明細書という特殊な書面の記載方法として、氏の推奨する法則がどの場面でも当てはまるとは必ずしもいえない場面もあり、一工夫して適用する必要がありますが、明細書の記載をきわめてわかりやすくしてくれることは疑いのないことです。
以下、明細書作成の上で役に立つ法則をいくつか挙げ、特許明細書の表現方法として用いた例をご紹介してみたいと思います。