ノートを雑に使う
千葉雅也
ノートをいかにラフにとるか。高三の頃は、移行措置として、「きちんと書くノート」と「雑にメモをするノート」の二冊をつくってました。後者は、字も速記的に書く。後者には、授業と直接関係ない、ふと思いついたアイデアなんかも書く。そうすると、次第にウェイトが後者に移っていったんですね。
ちなみに、高三の時につくったのは「雑書(ざつがき)ノート」と名づけていて、これは一冊だけで、全教科の授業で使いました。なので、世界史や現代文や数学や英語や、等々のメモが断片的に混ざっていて、そこに批評的なアイデアも書き込まれる、というわけです。このノートが卒業までに数冊溜まった。
僕としてはむしろ、「過剰に美しくノートを書こうとして、そのことが、アイデアの多方向のつながりを阻害していないか?」をチェックするべきと思う。僕としては、むしろ汚くて「横断的」なノートがいいんです。
ノートは、矢印や囲み、つながりの網状の線などを活用して、論理を一直線でなく展開するのがいい。手書きノートと、ワープロで文章を書くのとで違うのは、前者では、二次元的に多方向に拡がる論理を、視覚的に一望できることなんです。そこから仕事が始まる。