観察記録:2037年 午前3時37分 雨
観察記録:2037年 午前3時37分 雨
新宿の夜。街ビルのネオン看板が空中でまるで泳いでいるかのように浮かび、光が私をまた引き寄せる。冷えた夜の空気の中で、あのネオンたちは生きているように脈打ち(みゃくうち)、宙(ちゅう)を漂(ただよ)いながら、まるで私の存在を見透(みす)かしているように迫ってくる。光の群れは単なる明かりじゃなく、意思を持った生き物みたいに、私の意識の奥深くへ滑り込んでくる。
近づけば近づくほど、その色彩(しきさい)の波が心を揺(ゆ)さぶって、視界(しかい)が少しずつ歪(ゆが)んでいく。冷たく光る看板の流れが目の前で戯(たわむ)れ、まるで意思を帯(お)びているかのようだ。無数のネオンが幾重(いくえ)にも重(かさ)なり、街全体が動いているみたいで、私の考えをかき乱(みだ)してくる。
一体、あの看板たちは何なんだろう?もしかして、私はこのネオンの「餌」なのか。それとも、私がこの不思議な光を求めて、ここに足を運んでいるのか。
新宿(しんじゅく)
街ビル(まちビル)
空中(くうちゅう)
夜気(やき)
脈打ち(みゃくうち)
宙(ちゅう)
意識(いしき)
奥深く(おくふかく)
滑り込んで(すべりこんで)
色彩(しきさい)
歪んで(ゆがんで)
戯れ(たわむれ)
意思(いし)
無数(むすう)
幾重(いくえ)
足を運んで(あしをはこんで)