読んだもの|2024年3月
サークル有害論 なぜ小集団は毒されるのか(荒木優太)
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サークル有害論 なぜ小集団は毒されるのか(荒木優太)
https://gyazo.com/ec0d7838d930c5767e9bdf4eb7c37101
タイトルが面白そうだったので読んだ。が、なかなか難しい本だった。作内で引用されている事物を知っている前提の読み物と感じる。そうでなくてもよいのだけれど(結果読みたくなった本も発生したし)、あくまでも筆致の印象が「みなさんご存じですよね、あれ」みたいなテンションでぜんぶ語っておられるので、聞き手と語り手のテンションの差で戸惑う、がある(聞く姿勢を誤ったのは間違いなくわたし)。近年のサークル概念ないし集団の中で生じる事象を起点として、そこから「なぜサークルは生じたか」「そもサークルの語源とはなにか」「考えが生じた導線と、現在のサークルのニュアンスが出来上がるまでの、スタンスや有する性質に対して影響を与えた論者や活動者さんや書籍はなにか」などを読者へ向けて紹介してくださっている本、として読むのがよいかもしれない。これを起点として「サークル概念に影響を与えたものども」を読みにゆくのが良い。とは思うが、いかんせんここにあげられていたものを咀嚼できた気がしない。さっきも書いたが良くも悪くも、筆者さんが話したいことをひたすら話している書籍なので、現代におけるサークルの毒、コミュニティのギスギス(クラッシュの理由)を読むつもりで手に取ると困惑する。が、読むのがしんどいわけではない。読み解く力がないなりに「なぜ集団は問題を有することになるのか」を一考するためのヒントや理屈を得たような気はしている。ぼくが読みなれていないだけで、こういう書籍はこういう味がして当たり前なのかもしれない。浅い理解度なりに、ここに書かれている云々の延長上にオタサーの姫がおり、本来ならば犯罪として処されるべき事象がまかり通る空間が発生するのだろうと感じた。(*1)。途中に出てきた学生運動、あさま山荘、サークル村などの云々は普通にもっと調べたい(*2)。あとは「蟹工船」を読みたい。漫☆画太郎先生の蟹工船しか読んだことがないので………🦀
*1 オタサーの姫の項あたりの、「男性が主である活動者の空間内における女性(あまりこういう書き方をしたくないのだが、ここではあえてこう書いておく)というものは、男女比率が極端である(同数でない)からこそ価値がある」「それはかつての集団の中でもそうであり、集団の中にまた集団が生じることで強固な思想や宗教性を持たせることができた」「表面上は親しみのあるものとして振る舞い、なんらかの表層をまとうが(テニスサークル、文学、演劇、ゲーム、映画でもなんでも、表層になるものならなんでもよい)、あくまでもそれは真なる思想や考えに相手を勧誘するための手段に過ぎない=オタクくん(これもあえてこういう書き方をするが)の趣味にめちゃくちゃ興味ある女子→相手の心理を掌握してからほんとうに果たしたい目的を打ち明ける」などの記述はなるほどと思ったし、個人的には読んでいておもしろかった。
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