読んだもの|2024年1月
001|アンパン狩り(乾あまぐつ)
002|となりのロボット(西UKO)
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アンパン狩り(乾あまぐつ)
https://gyazo.com/619eb06b7c2604f6475ea1c234a4de23
ここで購入できる。
大阪の文フリへはじめて行ったときに読んだ本。「魚は銃をもてない」とこの本を目当てで訪問したので、ちゃんと買えてよかった。読むまでに一年ほど時間がかかってしまったが(おゆるしください)。楽しく最後まで読んでしまった。短いお話がたくさんのっているのだが、そのどれもに作者さんの視座が宿っていると感じる。中には、時系列は不明ながら、別々のお話のようでおなじ世界での出来事らしいものもあり、編によってさまざまな状況下にあるのを読めるのもたのしかった(「火星年代記」的なもの。ぼくなりの理解だけれど)。近すぎず遠すぎず、ちょうどよい距離から物体や事象を眺めている感じがすき。もともとぼくは記憶力がよくないのもあり、数日たったらどんなお話だったか忘れてしまうかもしれないのだが、「こういう雰囲気のものが載っている本を読ませてもらったんだなあ」という印象はずうっと残ると思う。そういうところがすきだと感じた(忘れてしまうのはすこし申し訳なく思うのだが)。あとがきにて「マイクロノベル」という呼称がなされていてなるほどとなった。もっといろいろの方に読まれて欲しいなと感じる。自分もこういうものを書きたい(*1)
*1 作内のものとしては「カーブミラーの喪服」「硝子人」「プールの怪獣ステゴルス」「天使の化石」「耳の落としもの」「優しい巨人」「月の葬列」「バー〈ボルシチは血の味〉」「ぬいぐるみのお葬式」「夜のドーナツ団」「かける言葉」「仲直りのキス」「彼女の眉」「人魚のびく」「終電のオットセイ」「河童とマッチング」あたりが特にすき。
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となりのロボット(西UKO)
https://gyazo.com/e3f595f9f7b205949a70339595556897
ツイッターにておすすめいただいた漫画。「百合」ジャンルの漫画をまともに読んだことがないのでどういう感想になるかわからなかったが、よい距離感の漫画を読めた気がしている。進めていただいたときも別に百合漫画として勧めていただいたわけではなかった気がする(そこそこ前なので記憶が定かでない)。ロボットの女の子の、ロボットとしての思考や会話の論理がしっかりあるのがおもしろかった。劇中の女の子が、あくまでも彼女は「ロボットだよね」というスタンスで向き合っているのもよいと思う。そのうえで大切な存在として接しているのがよかった。あと個人的には、これはロボットと女の子のお話だが、人間関係の普遍性とか意思疎通のズレを、彼女をロボットにすることで明示化しやすくなっていた作品とも思った。「人間らしくふるまう」のは、やはりむずかしい(*1)。基本、二者のかかわりを読むのが楽しいマンガだが、二者の行動によってわたわたするロボット研究所の方々の描写もまたおもしろい。研究所の監視下にあるロボットある人間のベッドシーンを真剣に描くとこうなるのか、が読める。たのしい。これら描写があることでちょうどよいリアリティになっていた気がする。嘘をつくのがうまいのだと思う。藤子不二雄先生の漫画をぼんやり思い出したりした(アプローチ感として)
*1 フリーレンの魔族がもしかすると近しいかもだが、「人間」に対するアプローチのかけ方が全然違うのがおもしろいなと思う。ロボットは基本的に人間の幸福を第一に考えるからこそなのかも(劇中では第一に考えつつ、優先順位の云々など、思考の優先度に発生する差異が人間的でおもしろい)