【院ゼミ】「企業と医療と患者をつなぐオンライン情報交換会」にゼミ生と参加
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長野県の清泉女学院大学の北村千章先生とは,大学院生の時に講演会に参加させていただいたことからご縁をいただいている。昨年度末,清泉女学院大学に訪問し北村先生たちと学校と医療について考えるゼミを行う予定だったが,新型コロナウイルスによってその会の開催は叶わなかった。 この度「企業と医療と患者をつなぐオンライン情報交換会」のお誘いをいただいた。ゼミ生にも紹介し,院ゼミのみんなで参加した。 100人に1人が心臓病,年間14000人の心疾患のお子さんが生まれる。決して珍しい病気ではない。
そして,乳児期の心臓手術の成功率が上がり,子どもたちの9割が成人し,社会に出る。
先天性心疾患患者の猪又竜さんの話には,かかりつけ医のいる地元で暮らしていきたいと思い地元の企業の就職試験を受けようと履歴書を送っても,「心臓病」とあると,面接も受けさせてもらえないという経験をされたとのこと。 知らないから,怖いどうしたらいいかわからない,だから受け入れられないという働きがそれらの企業には起きている。
だからこそ,知ってもらうことが大切だと,現在は企業で働きながら,様々なところで講演されたり,繋がりづくりをされている。
同じ「心疾患」でもその人によって症状,状態は違う。
「病名ではなく,その人を見て欲しい」という言葉は印象的だった。
横浜市立大学の落合亮太先生
当然,健常者に近い形で働ける人もいるが,そうでない方もいる。
受け入れる企業にとっても心配なことも多い。
就労者は,72%,そのうち,50%ほどが障害者雇用枠。
多くの人が就労を通して,社会に参加したい,貢献したいと思っている。
猪又さん
企業のマニュアルの方針が,「サポートする側が障害を理解しましょう,(一方的に)配慮を考えましょう」ではなく,「サポートする側とされる側が,合理的配慮を一緒に見つけましょう」というスタンスに変わった。
かつては「障害を理解しましょう」というマニュアルが多かった。
これって,学校でも同じことが言えるなあと思う。「スタンダード」「ユニバーサルデザイン」「合理的配慮」「特別な支援」等々,学校現場では,多様性を認め配慮しようとする取り組みがされている。しかし,それが,本当に当人の学びやすさに繋がっているのだろうか。企業のマニュアルのように,「学校・教師と子どもがどのような合理的配慮をしていくのか」ということがなされる必要があるのでないだろうか。「子どもだから自分のことを考えられない,決められない」というスタンスだけは取らないでいたい。 ある企業の方が,「元々,(所属する企業名)は,多国籍軍なので人種や性別,宗教や持病,全て個性です。そんな考え方をしています」とチャットを書かれていた。
等質性のある/等質性を求める集団では人と違うと目立つが,一方,元々が多様な集団であれば人と違っても目立たないしそれが当たり前となる。学校はどちらなのだろうか。