【授業研究】振り返りに驚いた!〜卒業生の授業を参観〜
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人懐っこくて可愛い子たちでした
先週、この春上越教育大学を卒業した方の授業を参観してきました。 教室に入った瞬間、「これは違うな」という空気を感じました。
もちろん、悪い意味で「違う」のではなく、新採用とは思えない「ただならぬ雰囲気」という意味です。 私のもとに、可愛い2年生が寄ってきてくれました。手には算数のノート。 見て見てと言うので、見せてもらうと、見開きページいっぱいに書かれた振り返りの記述です。きっと、振り返りを書くことに喜びを感じていて、そして、自信をもっているのでしょう。
ちょうど最近、私自身「学習の振り返り」が関心の一つにありますので、興味深く読ませてもらいました。 書いてある内容を整理すると、学習内容について、学級の仲間の姿について、そして、次の授業でどうしたいかと、まるでメタ認知の教科書に出てくるような構成です。もちろんそれは、学級でも授業をリードするようなお子さんのノートなのですが、それを差し引いても凄いことです。メタ認知の学習方略はおおよそ小学校高学年からということですから。心から驚き、そして、感激しました。 ビーバーは、「てきから身を守るために巣を水の中につくる」のですが、先生が、子どもたちに「てき」って具体的にどんな動物かイメージさせたことには驚きました。本文中には具体的な「てき」は記されていません。ですが、学級内にビーバーに関する本が用意してあり、その本に、ビーバーを襲おうとしているクマの写真があるのです。
子どもたちは、クマという具体的な「てき」をイメージすることにより、ビーバーが巣をつくる工夫の凄さをより実感したことでしょう。
更に凄いと思ったのは、子どもたちへの対応です。授業が4時間目であり、更に私というイレギュラーな人間がそこにいるのですから、集中しづらい環境です。当然、2年生の子たちは、集中が切れ、うるさくなるような時間がちらほらと出てきます。私だったら、色々と口うるさく注意してしまうところです。しかし、先生は、必要最低限の注意こそすれ、子どもたちの姿をよく理解ており、静かになるのを待ったり、かまわず授業を進めることで自然に子どもたちが授業に戻ってこれるような授業運営をしていました。肝が据わっている、子どもたちを信じている、子ども理解が深い等、様々な言葉が当てはまりそうな、見ている私は思わずうなってしましました。
授業の終末には、やはり子どもたちが振り返りを丁寧に、沢山書いていました。
授業後、先生に振り返りについて聞きました。
先生の話で印象的だったのは、「振り返りをすることで、次の授業へ繋がると思うから」ということです。
初任者の発達課題として、「一時間の授業を安定して行うこと」が先行研究で述べられていますが、先生は既にその課題を超え、長期的視点で授業運営を考えているのだなということがこの言葉からも分かります。本当に大したものです。 はじめは数行しか書けなかった子どもたちが、今では1ページ(150字!)を超えるような振り返りをしています。そのような事実の基、先生からも子どもたちからもその効果を感じているということが伝わってきました。
このような授業、学級経営ですから、ぜひ学部生やストレート院生の皆さんに見てもらいたいなと思いました。
初任研公開直後にもかかわらず、快く受け入れてくださった先生、そして、子どもたちに感謝です。 上越教育大学の卒業生が活躍している姿を見ることができ、とてもよい一日だったと充実感いっぱいでした。