【授業研究】【ICT】新潟小にてプログラミング教育の授業参観
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高橋先生は,その授業を先駆けて公開してくださいました。
さて,授業はどうだったかといいますと,実施前年の公開として示唆に富む,素晴らしい授業でした。理科の授業であることからぶれず,理科の目標を達成するための手段としてのプログラミング教育がデザインされており,教科におけるプログラミング教育の目指すべきモデルの一つとなるものです。新しい教育課題が求められると,得てしてそのことばかりに着目してしまい,本来目指すべき教科のねらいがおろそかになってしまいがちです。例えば,アクティブ・ラーニングが研究テーマになると子どもたちのアクティブな姿ばかりが語られ,一方,その教科のねらいを達成したかどうかは議論で扱われることすらないというようなものです。この点一つだけとっても見る価値の高い授業だったわけです。 それに加え,単元の中でどうプログラミングの学習を組みこんでいるのか,そして,環境はどう整えるのかという点でも,素晴らしいモデルを示してくださいました。
さて,今回実際の授業を見せていただいたことで,考えたことをメモします。
〇プログラミング教材の配線の問題
子どもたちは,課題を解決するためにプログラムを組み,実際の機器を動かします。その機器の配線が複雑であると,配線を組むだけで時間を浪費してしまいプログラムを組み動かすための時間を十分にとることができません。プログラミング的思考を育成するためには試行錯誤(trial and error)することが大切だと言われています。子どもたちにはその為の時間を十分に確保してあげたいものです。また,プログラミングを組んでも思ったように動かない場合,原因を追究し予想を立て次の手立てを考えるわけですが,その原因がプログラムの問題なのか,それともそもそも配線の問題なのかとなってしまうとあまりにも自体が複雑化してしまいます。 「ユーレカIO」は配線のシンプルさをとことん突き詰めているため,子どもたちが配線で戸惑う姿は私が見る限りありませんでした。改めて配線を複雑にしないことの重要性が示され,そしてこの製品の良さを実感することができました。この製品に関わる共同研究は,1月の臨床教科教育セミナーで学会発表する予定です。 〇全校体制でのプログラミング教育
子どもたちは私たちが思う以上に適応力が高く,あっという間にいろいろなことを理解し学びます。しかし,ヴィジュアルプログラミング,フィジカルプログラミングを6年生に突然やろうとしても,我々が期待する姿になるまでは,それ相応の慣れとスキルの習得ための時間は必要でしょう。今回,高橋先生が計画的に単元を組み経験を積めるように設計されていましたが,単元内でプログラミングのスキルを上げる時間を捻出することは難しいことだったようです。だからこそ,1年生からプログラミングの経験を積み,6年生では教科の学習課題解決のためにプログラミングを使えるような6年間のカリキュラムを組みたいものだと感じました。 それにしても,今日は学びの多い時間を頂きました。新潟小学校,そして高橋先生に感謝致します。