Barton-McCombie 脱水酸基化
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特に水酸基をたくさん有する化合物には糖やアスコルビン酸など色々なものがあります。
そんな時に活躍する反応がBarton-McCombie 脱水酸基化です。 通常はNaHの使用でCS2と反応させたのちにMeIによってチオカルボニル化合物のエステルへと変換し、そのもののラジカル条件下の反応で水酸基を生じます。 https://gyazo.com/280994cc536911d13d023d2457efbd24
Barton 脱炭酸と類似の反応機構で進行していますね、同様に気体の発生でエントロピーの大きな利得のある反応です。 https://gyazo.com/e311637423388eb58d5a48ec55e0777d
例えばコレスタロール誘導体をシランの存在下で反応することでこのものの水酸基を除去し炭化水素を得ています。
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アスコルビン酸誘導体の水酸基も除去されて有用なキラルセグメントを与えています。この場合は固体担持されたスズヒドリドがラジカル担体になっていますね。
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糖の誘導体についても上のようにチオエステル化合物へと変換、スズヒドリドとAIBNの標準条件で水酸基が除去されています。足がかりとして使われる水酸基が最終的にこの手法で除去されることはよくあります。
そんな例があれば今後も増えていく予定です。
底本
A. Hassner, C. Stumer, Organic syntheses based on name reactions, Elsevier (2002).
J. J. Li, Name reactions, 4th edition, Springer (2013).
Z. Wang, Comprehensive Organic Name Reactions and Reagents, Wiley-Interscience (2009)