「書いてみるタスク管理」のアウトライン検討
rashita.icon2021/8/16
全体の構成として、「書く」ことに注目したタスク管理手法を提示して、しかしその手法にとらわれずに、自分なりの方法をやってみようとアドバイスする内容になっている。
それを踏まえてアウトラインを検討する。
アウトライン
===1 書くことの延長線上にあるタスク管理
===2 Atomicなものとして書き出す
===3 自分なりのアウトラインを作る
===4 リストにあるタスクからの選択とリストにないタスクからの選択を並走させる
===5 既存のシステムと自分のやり方をシェイクする
===6 自分のやり方の崩れに気づく
===7 ここに書いたことでさえ
内容として、「===3 自分なりのアウトラインを作る」と「===5 既存のシステムと自分のやり方をシェイクする」が呼応関係(相似関係)にあるはず。
内要検討
===1 書くことの延長線上にあるタスク管理
「頭の中だけで情報が扱えないときがあり、そういうときには書いてみることが有用」
→しかし、普通のタスク管理でもタスクを書くのではないか、という疑問が読者の頭の中に起こるはず
とりあえずここでは、書くことの有用性を提示する
===2 Atomicなものとして書き出す
その「書くこと」において、著者が留意している点を示す。
Atomicに書き出すようにします。
とあるが著者が実際にそのようにしているのか、それともそうした方が良いというある種の理論なのかが、ちょっと見えてこない。
Evergreen notesというノート術にある「Evergreen notes should be atomic」
とあるが、なぜこれを採択したのか、このノート術はこの指針を採用することでどのような効果を狙っているのかが開示されていないのでかなり唐突な感じがする。
atomicなものと、これまでのタスク管理でよく言われていたタスクの分解(ないしは細分化)が提示される→これは他にはない優れた視点
しかし、こうしてatomicに書き出すことで、どんな効果があるのかが明示されていない。違っていることはわかるが、その違いが、これまで書いてきた話とどう関連しているのかが自明ではない。
なぜatomicに書かなければいけないか(書くとどんな嬉しいことがあるのか、既存のタスク管理になかったことが得られるのか)が説明されていない。
===3 自分なりのアウトラインを作る
頭の中と外で行き来しやすい形にするのには、人のアウトラインにならうより、自分なりのアウトラインを作ることが重要になります。
まったくその通りだが、かなり突然話題が放り込まれた印象がある。
ここまでの中で、「頭の中と外で行き来しやすい形にしましょう。なぜならホゲホゲだからです」という説明がないので、なぜそれをしなければならないのかがわからない(読者の頭の中でその階段が築かれていない)。
==1で
図や表に比べると素早く書き出せて、読んで頭の中に戻すことも容易です。
という部分があるが、これが「「頭の中と外で行き来」に関係しているのかもわかりにくい。
そもそも「頭の中と外で行き来」とはどういうことか。それをするとどうよいのか、できないと何が悪いのかが示されていると階段を上りやすい
続いて二種類のアウトラインの説明がある。→非常に重要な説明
ただ、階段が作られていないので何が説明されているのかを位置づけるのが難しい。
たとえば倉下ならば「自分なりのアウトラインを作ることが重要になります。では、自分なりのアウトラインとは何でしょうか。それは○○なアウトラインです」のような説明を入れてみる。そこから二つのアウトラインの違いの説明に移行する。
==4 リストにあるタスクからの選択とリストにないタスクからの選択を並走させる
最初は、リストにないものから選択することを優先して、適宜ノートやリストに書いて残しておくほうが慣れるまでは破綻しにくいと思われます。
素直に読むと、「よし、これはリストにない。選択しよう!」という奇妙な行動を勧めているように感じます。
リストを気にせず選択する?
そのようにして、リストにあるものとリストにないものとを並走させながらハイブリッドに選ぶようにします。
これは重要な指摘。
===5 既存のシステムと自分のやり方をシェイクする
既存の手法と自分の手法の位置づけについて
シェイクが重要という指摘だが、せっかく上で
そのようにして、リストにあるものとリストにないものとを並走させながらハイブリッドに選ぶようにします。
という話をしているので(読者の頭の中にその階段が築かれているので)、それと同じようなことだ、という説明にしてもいいかも。
つまり、ある手法(これが作ったリストに対応)をやっていても、その手法とは別のやり方をしたくなったら、そうする。そのように「ハイブリッド」でやっていく、という説明。
それを繰り返していくと徐々に自分なりの方法ができあがり、そのやり方って「シェイク」と呼ばれているものに相当する、という説明。
で、そうしたシェイクのやり方を受け入れられたら、やり方が崩れても対応できる、という風に次の節に接続できる。
===6 自分のやり方の崩れに気づく
気をつけたいのが、「既存のシステム」と「自分のやり方」と比較して崩れている(合致していない)ことよりも、「うまくいっている(ときの)自分のやり方」と「うまくいっていない(ときの)自分のやり方」とを比較して崩れている、崩れてしまった部分に着目するようにします。
というときに「書くこと」が大切なのです、とすると原稿全体のテーマと接続できる。
===7 ここに書いたことでさえ
このメタな階段の上がり方は倉下の大好物
内容的にもよろしいと思える