ESI Windows版OpenFOAMの導入
先日ESIからWindows版のOpenFOAMが提供されていたので、手持ちのパソコンに入れて使ってみました。
計算の実行環境はWin7です。
①インストーラのダウンロード
インストーラのダウンロードはESIの「OpenFOAM for Windows」のページからダウンロードできます。
https://gyazo.com/fcc8ba87189a2ba3d7bacebc657ec10a
ページ中央のショートカットアイコンをクリックすると、ダウンロードが始まる。
②インストール
ダウンロードしたインストーラを起動してインストールを実行する。
インストーラを起動すると、下の画面が立ち上がる。
https://gyazo.com/82f65da6a4d66bccddd54a3d124cb2b8
ライセンスの確認画面。問題なければI accept ~にチェックを入れて、Nextをクリック。
https://gyazo.com/ed7098ebd1fd4145b1dca1a7786017a5
インストールフォルダの指定。特になければInstallをクリックする。
https://gyazo.com/29b91e298fd0c502e2f28424250816e2
プログレスバーが表示されるので、ちょっと待つ。
https://gyazo.com/5438f85717ad45703954952012b8c47c
Dockerのインストーラが起動する。Win版OpenFOAMではDockerが必要なのでインストーラに従ってインストールを実行する。
https://gyazo.com/5cda4ffe0c78c4c1a3d32a6286b097d1
Dockerのインストール場所を指定できる。こだわりがなければ、そのままNextをクリック。
https://gyazo.com/ded2abdb797396088d0e1e2cae7629c5
インストールコンポーネントを選択できる。とりあえずFull Installationにしておく。
https://gyazo.com/9cea36a0c3fe4fe341af6e70ea8837a1
スタートメニューに登録されるフォルダ名入力できる。無視してNextをクリック。
https://gyazo.com/5d0b7ee652fef5ae9602a310ad73092a
ショートカット等の設定画面。適当に選択する。
https://gyazo.com/bd19066f164aa0ba478d624fc92ed316
最終確認画面が出るので、確認してInstallをクリックする。
https://gyazo.com/467d12f2175c5b6fe94eb4608be27eb5
インストールの途中で再起動についての案内が出る。再起動してもいいように他のソフト等は落としておく。
https://gyazo.com/a61f3359edc9b03db2f0503252b93ccb
インストール完了後は以下の画面が表示される。Finishを押すとPCが再起動する。
https://gyazo.com/0e717ac01728f4a352215a694c99a5b3
③起動
まずインストールしたらデスクトップに出来る「OF_Env_Create」をクリックして起動する。クリックするといくつか文章が表示された後、ウインドウが勝手に閉じる。
https://gyazo.com/84658b090d8bb8ed1cf93b5392fe0b6a
OpenFOAM_Startのアイコン ※「OF_Env_Create」は一度だけ実行する。
次に、「OpenFOAM_Start」をクリックする。
https://gyazo.com/7f1ed614516c99228e4825f602e8a99e
OpenFOAM_Startのアイコン
起動後、ウインドウが現れいろいろなメッセージが表示されるが、しばらく放置し、「openfoam」と表示されたら起動が完了している。
https://gyazo.com/9c43d6741bb5fd1b620eacea797407a4
わかりづらいが、これで入力待ちの状態
試しに「icoFoam -help」と入力すると、ヘルプが表示され、実行可能な状態であることがわかる。
https://gyazo.com/d9942f105898a0fb078b731df7933b7e
icoFoam -helpの実行結果
④workingDirの場所
起動後に「ls」で今いるディレクトリを確認すると、workingDirというディレクトリがある。このworkingDirはWindowsの「C:\Users\USER_NAME」とリンクしている。このディレクトリを通じてファイルをやり取りできる。
(USER_NAMEはログインしているWindowsのユーザー名)
https://gyazo.com/b40ba9df920b68f25c2cf0ee70e182ba
workingDirのなかを見るとMy Documentなどが見える
⑤Tutorialの実行
Tutolialの実行はLinuxと同じ。ただし、runコマンドは通らない。
試しにmotorbikeのチュートリアルを流してみる。
ログイン時のディレクトリで以下のコマンドを実行して、ケースファイルを取ってくる。
code:shell
$cd workingDir
$cp -r /opt/OpenFOAM/OpenFOAM-2.4.0/tutorials/incompressible/simpleFoam/motorBike/ ./
motorBikeのディレクトリに移動する。
code:shell
$cd motorBike/
Allrunを実行して計算を実行する。
code:shell
$./Allrun
https://gyazo.com/82d9fe3c4c800451b0e358d5fd80932c
実行時の画面(Parallelで走っています)
https://gyazo.com/5fd90fa7cb922520b0b8f7eb947dac55
実行後のディレクトリ
⑥結果の可視化
このWindows版OpenFOAMからはparaviewが使えないので、ParaviewをWindowsにインストールする必要がある。(今回はParaview 4.4.0 Win64bitをインストールしました。)
【Paraview】
ポスト処理のやり方はOpenFOAMと同じ。「paraFoam」コマンドになっれている人は馴染みがないかも知れませんが、paraviewでOpenFOAMのケースファイルを読むには「~.foam」という殻のファイルを作っておく必要があります。
Windowsでmotorbikeフォルダ下に「右クリック->新規作成(X)->テキスト ドキュメント」で「post.foam」という名前のファイルを作ります。
また、motorbikeディレクトリの「0.org」ディレクトリをコピーして「0」という名前にしておきます。(Case TypeがReconstructed Caseの場合、こうしておかないと最終結果が見れなかった)
後はParaviewでpost.foamを読み込めば表示できます。
https://gyazo.com/f7f5b68699a5815fc55ef8be10160117
結果の表示
⑦アンインストール
アンインストールはその他のWindows向けプログラムと同じでコントロールパネルから削除します。消すのはOpenFoamとgitとDockerとVirtualBoxです。OpenFOAM以外でも使っている場合はアンインストール必要はありません。
必要に応じて以下のファイルも削除する。
C:\Users\$UserName\.boot2docker
C:\Users\$UserName\.ssh
C:\Users\$UserName\.VirtualBox
C:\Users\$UserName\VirtualBox VMs/boot2docker-vm
⑧感想
結構簡単に使えました。なお、Windows10だとなぜかうまく動かなかったです。(調査中)
WindowsでOpenFOAMやりたいという方は、試しに使われてみてはいかがでしょうか?
(11月27日追記) OpenFOAM3.0.0版が出ましたが、インストール方法は変わりなしです。