機能だけではなく遊び心を持たせた、斜めなトイレ
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同業の他社さんから、たくさんの間取り図を見せてもらう機会がありました。どの住まいも外観やリビングなど、それぞれ個性的なのですが、一転トイレだけは、どれも個性がなく同じだったことが不思議でした。トイレは、デザインするに値しない空間だと、思われている様でした。
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私は、「ひとりひとりに合わせて設計すること」が、
バリアフリーに限らず、住まい全般にとって大切だと考えていて、
そのことが端的に現れるのが、まさに「トイレ」だからです。
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私の事務所には、バリアフリー住宅のご依頼を多く頂いています。
バリアフリーなトイレは、一般的な住まいのトイレと比べると、
「大は小を兼ねる」と、「広いだけのトイレ」となりがちですが、
大切にしていることがあります。それは「遊び心」です。
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このお住まいのトイレは、車いすでの使いやすさを考え、
2帖と広いスペースを確保し、洗面としても使える様にしました。
便器と手洗い器を傾けると、トイレ全体が楽しくなりました。
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便器を傾けた理由は楽しくするためだけでなく、他にもありました。
便器の左右両方に、介助者の立つ場所を確保するためでもあります。
また、私たちは無意識にうちに、自分の体を壁に対して、
平行、直角の関係を、保とうとしていると思います。
それが、便器に腰掛けた瞬間、オーバーに言えば強制的に、
傾いた「景色」と向かい合う。それが「面白いな」と思ったのです。
「面白い」と思のは、私だけ、なのかもしれませんが... 。
便器に座った時の手元の明るさ、窓や照明との位置関係だけではなく
「便器に座った時に、真正面に見えるもの」も、大切にしたのです。
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聞くところによると、最近のスマホの普及により、
トイレの滞在時間は、長くなったそうです。
トイレの滞在時間は、ひとりひとり様々だと思うので、
機能だけではなく、「遊び心」を持たせて、
長くいても居心地よく、退屈しない様にと考えています。
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そんな話を住まいてさんにしたら、共感いただきました。
このトイレの内装の仕上げは、住まいてさん家族のみんなで、
明るく楽しく仕上げてくれました。
お伺いすると長居したくなる、お住まいなのですが、
トイレもなおのこと、長居したくなる空間になりました。