手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ
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『車いすに乗ることになった主人のために、スロープを作りたい』と、奥様からのご依頼でした。手入れの行き届いた美しい庭に驚きました。この庭を見渡すと、丹精こめて手入れをしている、奥様の気持ちが伝わってきて、この庭を楽しめるスロープがふさわしいと、直感しました。
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車いす対応のバリアフリーは、どこから出入りするのかが、
重要なポイントになります。まずは、玄関からなのですが、
玄関から車いすで出入りするというのは、現実的には難しい。
というのも玄関には、敷居の段差と上がり框の段差があるから。
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このお住まいもその段差があり、玄関からの出入りは困難でした。
玄関以外の出入り口として、居間や寝室の掃き出し窓から、
出入りすることにし、門から長いスロープで結ぶことにしました。
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手入れの行き届いた、美しい庭の中心には鯉が泳ぐ池があります。
その池の脇を、弧を描くようのスロープを作ることになりました。
窓に接する部分は、バルコニーが屋根代わりになるウッドデッキ。
気軽に出入りできる縁側の様なデッキ、室内と一体に感じます。
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奥様が丹精こめて、手入れをしている庭を居間から楽しめます。
スロープやデッキは、単なる段差解消としての機能だけではなく、
毎日の暮らしを楽しくするような、大切な役割りも担っています。
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もうひとつ、大切な役割りがありました。このスロープが、
「地域とのつながり」を、つくり出してくれることでした。
『誘われる庭があるからこそ、外に出ようとする気持ちになった』
ご近所の散歩や図書館にも、ここから出かけて行くそうです。
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『このスロープを使って庭へ、そして外へと出ていくことが、
毎日のリハビリになり、より前向きにもなれた』、
とのことでした。
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住宅の出入りを考えるときは、家に入る視点だけではなく、
外に出るという視点も大切にするということ、私は教わりました。