9914_我が家をご紹介します(1階和室の本棚)
『軒を貸して母屋を取られる』。一部を貸したばかりに、全部を取られることのたとえです。我が家のLDKの脇には、6帖の和室があります。2008年、奥行きの浅い床の間に、建築書籍専用の本棚を造りました。そして数年後、小学生になった娘に、ひとマスを使わせることになりました。
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床の間の真ん中に床柱があり、その床柱を残し左側は高い本棚。右側は本棚は収納よりも、床の間としての機能を優先しました。お正月に神社いただいたお札を置いています。オオタキさんの家 本棚( 2017.09.14) hr.icon
板の切断面のことを、小口(コグチ)と言います。
小学校の机の小口(コグチ)は、こんな積層になっていませんでしたか。
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この板は「シナ合板」と言います。 広葉樹の「シナ」を表面に貼った合板です。
優しい木目で、造作しやすい柔らかい材質で、家具や建具などに用います。
木版画の板や、アイスクリームのヘラなども、シナで作られています。
そんな思い出からなのか、安価だからなのか、「シナ合板」よく使います。
シナのよさを消さないように、水性ウレタンのクリア塗装にしました。
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本が転ばないように「間仕切り」を多く造り、「マス」のようにしました。
「棚板」は間仕切りに固定せずに、上下に動かせます。
基本の高さは、A4サイズの書籍の高さ30cmに、指を入れる隙間2.5cmを、
加えた32.5cmです。背板は取り付けませんでした。
本棚の下部は奥行きを深くして、画集や設計図集など、
背の高い本を置けるようにし、オーディオ機器も、ここに収納します。
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板の厚みは「24mm」で、ずいぶんと頑丈に見えます。
その頃は、ちょうどいい厚みに思えましたが、
今作るのなら、板の厚みは「21mm」を選びます。
私が20代の頃は、板の厚みは「27mm」で作っていました。
この板の厚さに限らず、建築には、その時代の「空気感」というか、
誰が決めるという訳でもない、「気配」みたいなものがあるのです。
その「空気・気配」に迎合しすぎると、個性的でない」と言われたり、
それとは逆に「空気・気配」を無視すると、
「古い」とか「違和感がある」と感じてしまうのです。
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娘の成長に比例するように、「ひとマス」は「ふたマス」になり、
建築書籍はやがて、娘の本や文房具、ランドセルに置き換わっていきました。
私の書斎だったはずの和室は、家族の多目的な部屋になってしまうと、
「縦に組まれた間仕切り板が不便」だという、会話が聞こえてきました。
『軒を貸して母屋を取られる』、まさにこんなことをいう、ことわざなのですね。