9803_『勝つ方法はない。が、負けない方法ならある』
『精進してください』。夏も冬も、この一言で長時間の練習が終わりました。精進とは「一つのことに集中して、一生懸命に努力すること」。高校時代のテニス部顧問、O先生のことをふと思い出しました。他にも、忘れられない言葉があります。『試合に勝つ方法はない。が、負けない方法ならある... 』。
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ひとつめは、『ミスをしないこと』。
攻めて勝つだけではなく、守り続けて勝たなくてはならない。
「ミスをする」ということは、得るべき1ポイントが、
与える1ポイントになってしまうこと。
その差は、2ポイントになってしまう。
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ふたつめは、『正攻法に徹すること』。姑息な手を使わないこと。
中学生のテニスなら、小手先のテクニックで勝ち上がれたが、
高校からのテニスは、「正攻法」でなければ、勝ち上がれない。
正クロス(左方向の対角線)で、打ち合うこと。
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みっつめは、『考えること』。頭でテニスすること。
たとえ、技術や体力が、相手より劣るものだとしても、
「考えること」だけは、相手と対等にできるはずである。
どんな局面でも、考えること。
どんな局面からでも、自分が得意な型に持ち込むこと。
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私の考える癖は、テニスコートで身に付けました。
考える。そもそも「考える」とは、何でしょうか。
「間違ってても構わないから、自分なりの結論を持つ」ことだと、
私は考えています。
そして、いい時も悪い時も、建築から離れないこと。
建築を考え続けることを、今年も大切にします。
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O先生は、こんなことも言っていました。
『負けるなら、すぐに負けろ、コートを他の者に譲れ』
『勝つのなら、時間をかけて、考え抜いて勝て』
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夕暮れ、整備を終えたテニスコート脇での、このO先生の言葉、
その後私は、「建築」に置き換えてみました。
常に自分の心に留めき、戒めや励まし、そして作風としています。