9511_「Lights~愛しい光たち」24作品と、粉川江里子の代表作
例えば人物画の場合、モデルの内面や生き方を描き出すことが、よい作品の条件、そしてよい画家の条件なのだと、私は今まで考えていました。ですが、粉川江里子さんの油彩画展「Lights ~ 愛しい光たち」の作品を前にして、私は、それとは異なるものを感じていたのでした。
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淡い色調に包まれた女性たちが、一瞬の幻を思わせるような非日常の世界を作り出しています。
美岳画廊 八丁堀ギャラリー(2018年12月21日→ 26日)
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粉川さんの油彩画展が、美岳画廊で開催されていることを知り、
直前まで行くのかためらっていましたが、行くことにしました。
行くからには必ず、粉川さんとお話をしようと決めていました。
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粉川さんとモデルさんと、お話をする幸運に恵まれました。
嬉しくて、もっとたくさんお話したかったのですが、
私は長居せずに、画廊を後にしました。
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それは、他の来場者さんたちに、迷惑だと思っただけではなく、
何よりも早く、自分の気持ちを書き起こしたかったからでした。
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この画廊の中にいて、懐かしさ、暖かさを感じたのはなぜなのだろう。
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人物画の場合、モデルの内面や生き方を描き出すことが、
よい作品の条件なのだと、私は今まで考えていました。ですが、
この油彩画展の作品からは、それとは異なる感動がありました。
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粉川さんの作品から、私が感じたイマージュ。
それはモデルの内面というよりは、モデルを優しく包むもの、
暖かく見守ってくれているものの、存在なのでした。
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優しく包むもの、暖かく見守るものどうしは、つながっていて、
私を見守ってくれているものとも、つながっていて、
きっと、ひとつのものなのでしょう。
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私たちはみな、つながっているのでしょうか。私には、
粉川さんが、そんな奥深くを見つめているように思えたのです。
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この24作品全て、ひとつひとつの中に、粉川さんがいるのです。
そして私は、こうも思いました。
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芸術は、「無」から「有」を生み出すのではない。
芸術は、「有」から「有」を生み出すのだ。
いわば「苦難」のような、マイナスと思われることからでさえも。
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そして、この粉川さんの油彩画展「Lights ~ 愛しい光たち」に、
もうひとつ、25点目の作品があることに、私は気付いたのでした。
きっとその作品が、粉川さんの代表作なのでしょう。
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画家、粉川江里子さん、ご自身です。
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