9496_『人生はマラソンではなくダンスである』
お正月に家族で書店に出かけました。家族がそれぞれ、2019年の最初の一冊を探していたところ、私は、岸見一郎著『老いる勇気 - これからの人生をどう生きるか』を手にしました。ページをめくっていくと、「人生はマラソンではなくダンスである」という、気になる言葉が出てきました。なぜ、マラソンではなく、ダンスなのだろう... 。
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昨年(2018年)12月で、創業32周年を迎えることができました。
ひとつの住まいづくりの仕事は、設計から施工へと進行していきます。
いくつも重なりながら進行していく仕事が、マラソンの様に思えるのです。
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エネルゲイアは、喩えるならダンスの様な動きです。
ダンスは、踊っている一瞬一瞬が楽しいのであって、
踊り切らなければ楽しめないというわけでも、
どこかに到達するために踊っているわけでもありません。
岸見一郎『老いる勇気 - これからの人生をどう生きるか』PHP研究所 2018
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マラソンは走っている最中、辛く苦しい時もあっても、それを乗り換え、
ひたすらゴールを目指すこと、完走することに意義があるということ。
私は80才まで、住まいづくりの仕事を続けたいと思っています。
なので私は、マラソンの様にだけ、生きてきたと思っていました。
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完走することによって収穫を得る、そんなマラソンに対して、
ダンスは、最後まで踊り切らないと楽しめないのではなく、
今踊っている、この一瞬一瞬を楽しむことを連続させること。
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人生も、生きている「今、ここ」が、それ自体で完成されたエネルゲイアです。
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私は、日々の私は住まいづくりの仕事を、マラソンとしてだけでなく、
ダンスとしても、楽しんでいることに気づきました。
毎年、ニャンズのカレンダーを送ってくれる住まいてさんも、
道半ばの私を、楽しませてくれるのです。
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住まいづくりの仕事は、建物が完成した時の楽しさがあり、
一棟の建物の完成は、いわばマラソンの休憩地点の様です。
一棟一棟の建物は完成していっても、
私の仕事、バリアフリーの先にある、ほんとうの住まいの探求は、
おそらく、道半ばで終わってしまうのかもしれませんが、
それでもいいのだということも、この本から学びました。
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たとえどこかに到達したなかったとしても、
そのプロセスの一瞬一瞬が完全であり、
完成されたものであると考えることもできます。
「なしつつある」ことがすべて、
そのまま「なした」ことになる動き、
これがアリストテレスのいう「エネルゲイア」です。
岸見一郎『老いる勇気 - これからの人生をどう生きるか』PHP研究所 2018
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