9479_「チャレンジド」と「the challenged」
東京オリンピック、パラリンピックを来年に控え、最近「障がい者」のことを「チャレンジド」とするのを、見かけることが多くなりました(例えば、チャレンジド・アスリートなど)。この「チャレンジド」について、興味深いことを聞きました。
https://gyazo.com/474e1d068bcafa39627b8127d16e9938
現在特許出願している、「bFaaaP」の特許明細書や日本語の翻訳文でも、「チャレンジド」という言葉を併記して解説しています。桜を眺め、生きることを想いました( 2019.04.09) hr.icon
バリアフリーピアノペダル装置、「bFaaaP」の開発チームの宍戸さんが、
この「チャレンジド」について、興味深いことを教えてくれました。
とても共感したので、ご紹介します。
宍戸さんは、英語に強い車いすユーザーの弁理士です。
以下、彼のブログからの引用です。
https://gyazo.com/d510bde6314375ea3c7634273366212f
日本語で「チャレンジド」というと、
英語も「challenged」と思うかもしれませんが、
英語では必ず「the challenged」となります。
一人のチャレンジドは「a challenged」ではないのです。
https://gyazo.com/ad49533dd311dd7a4878aad0b7a38b9b
「challenged」というと英文法的に何を思い浮かべるかというと、普通の公立学校教育を受けた私なんかは「受動態」かな?と思います。He is challenged.みたいなものですね。
https://gyazo.com/10badd10678f9b262d843b4be2049355
では、能動態でこの文を書くとどうでしょうか?
例えば、It challenges him.ですね。
この時「It」は、なんだろうと思いますよね。
https://gyazo.com/a7fbd6b9d0fd88a1beddbc0f6c824fdf
私は何年か海外にいましたが、文化的な背景とかもあるのでしょうが、
この「It」には、何か人間の力の及ばないもの、
例えば「神さま(仏さま)」のような超越的な力を感じます。
https://gyazo.com/3b7fa0d048810fd5ff63df3f642fffe6
なので、神さまから挑戦を受けた人、課題を与えられた人というようなニュアンスが、乗ってくるような気がします。
https://gyazo.com/9a05192ebb94775039465b2fd81330ba
ではこの「the + 形容詞」は、単数形で受けるのでしょうか?
これは学校で習わなかったような気がしますが、
「the + 形容詞」は多くの場合、複数形なんですね。
https://gyazo.com/14655d1565b3ac4cd46fe7957a32ed1c
つまり、もう一つ重要なメッセージが、
「the challenged」には含まれていると思うんです。
https://gyazo.com/f7ecfda4397a3f760187db7968bb9792
「the challenged」は、
「神さまからチャレンジされたのは、君一人ではないんだよ。
他にも仲間がいるんだよ」と、言い換えられるかもしれません。
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