9387_今の私が大切にしていることは、「住まいそのものが大切なのではない」ということ
ありがたいことに2020年も、私の日々の仕事である住まいづくりを、みなさまにお話しする機会を頂きました。せっかくの機会なので、2019年、今の私が大切にしていることを、ぜひお話ししたいです。ひとことで言うなら、「住まいそのものが大切なのではない」ということです。
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「住まいそのものが大切なのではない」ということに思い立ったのは、2019年の夏でした。
竣工したばかりのバリアフリー住宅で、施設から退院し新しく暮らし始める、車イスユーザーの住まいてさんを中心に、関連するスタッフ一同のミーティングが開かれました。
このようなミーティングに、私は参加する必要はないのですが、一部未完成な部分の説明をするために、参加することになったのでした。
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そのミーティングが終わる頃、笑顔の住まいてさんに、スタッフのどなたかが「新しい家ができてよかったね」と声をかけたのでした。
住まいてさんの答えに、私ははっとしました。
「この家なら大丈夫、この家からなら世界旅行に出かけられる!」と、住まいてさんは答えたのでした。
それ聞いてはっとした私は、そうなのかと悟りました。住まいそのものが大切なのではなく、この住まいで暮らすことにより、どんな生き方ができるかこそ大切なのだと。
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私のひとつひとつの仕事のゴールは、住まいを完成させることではなく、その住まいで、住まいてさんがいかに暮らしていけるか、住まいてさんが自分の人生を生きることができるか、という点です。
住まいを「デザイン」するとは、単なる住まいの外観や内部空間を整えることではありません。
住まいてさんの生き方まで見据えた住まいづくり全体を、「デザイン」だと考えるようになりました。
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さて、こんな話を、うまくまとめることことができるでしょうか。来年の2月と3月のことなのでまだ時間はありますが、その来年はあっという間に訪れることも知っています... 。