9359_マンション玄関ドアの敷居段差(1)段差なし
車いすユーザーの住まいてさんの、バリアフリーリフォームを想定したマンション選びに、私も同行しました。マンションでまず確認したいことは、玄関ドアの敷居段差と、玄関ドア前の共用廊下の幅です。というのも、どちらも共用部分なので、リフォームで改修できないからです。住まいてさんが選んだこのマンションは、どちらも大丈夫でした。
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バリアフリー配慮を感じられる、築 5年のマンションです。玄関ドア前はアルコーブ(くぼみ)になっているので、共用廊下の幅は 2mあり、玄関ドアの対して直角に入るには十分な幅です。
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玄関ドアの敷居は共用廊下床に埋め込まれているので、敷居段差はありませんでした。既存の大理石の上がり框はそのまま残し、玄関土間全面を長尺シート貼りのスロープにします。
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スロープとなる長さは、手動の車いすで昇るのには支障がないように見えました。ですが、段差を実感してもらうために、仮設のスロープを作り、住まいてさんに確認してもらいました。
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スロープの傾斜の割合は、「高さに対して、長さは 12倍から 15倍」という基準があります。ですが、この基準よりも急傾斜でも大丈夫な人、この基準でも昇ることができない人、ひとりひとり違うので、傾斜角を実際に確認してもらう必要があるのです。
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また、車いすの種類も様々で、手動車いすだけではなく、電動車いす、電動アシストユニットを使っている人もいます。この住まいてさんは手動の車いすを使っていますが、「介助者を必要とせずに、ひとりで自由に外出したい」とのことでした。
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電動車いすを使うのであれば、スロープや段差を気にすることなく外出できるはずです。ですが、車の運転をする住まいてさんの場合、電動車いすは車に収納することができないので、車を自分で運転しての外出ができなくなってしまうのです。
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玄関ドアから上がり框までの、ゆったりとしたスロープ、住まいてさんの腕の力が強くなくても昇ることができました。玄関の幅が広いので、肘が壁にぶつかってしまう心配もありません。
車いすユーザーにやさしいマンション、理想的なバリアフリーリフォームとなりました。
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住まいてさんが玄関ドアを自由に開閉できるように、「スイングドア自動開閉システム」を取り付けました。