9295_横向きトイレを、アクセシブルな跳ね上げ式トイレ台で高床に
車いすユーザーの住まいてさんは、新居となる賃貸マンションを探す際、最も大切にした事はトイレのレイアウトでした。 トイレの広さだけでなく、横向きにアクセスできることを大切にしたそうです。 というのも、トイレは高床にすることが前提だったからです。 数ヶ月かけて見つけたマンションは、その条件にぴったりでした。
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車いすでの利用を想定した広さのトイレです。入口から見て便器が横になる配置なので、車いすで横付けしやすそうです。便器の座面高さが、車いすの座面高さよりも低かったので、便座と便器の間に「補高便座」を挟みました。 https://scrapbox.io/files/61201593977aec001d46abe9.jpg
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住まいてさんの車いすの座面高さは 50cmです。既存の便器の便座高さは 41cmでしたので、車いすの座面高さと合わせるよう、かさ上げしました。「既存便器 → 補高便座 → ウオシュレット → やわらか便座」と重ね、49cmとなりました。
・便座を外した時の便器の高さ:37cm
・「補高便座」でかさ上げ:5cm
・「ウオシュレット」の厚み:4cm
・「やわらか便座」の厚み:3cm
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跳ね上げ板を跳ね上げると、便器に車いすで横付けができます。便器脇のトイレ台に車いすのリムがぶつからないよう、トイレの先端よりも 10cmずらしたので、左膝を便器にぴったりと横付けすることができます。
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お座敷トイレとして利用する時は、欠き込みのある跳ね上げ板を下げます。便座に腰掛けた状態で、両足を伸ばせる長さを確保できました。引き戸は取り外し、カーテンに取り替えました。
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トイレ台の表面は、汚れが染み込みにくく水拭きがしやすい、ビニールレザー貼りにしました。中にはクッションを入れて柔らかくしました。ソファーのように柔らかいと、かかとが沈み移動しにくくなるので、硬めのクッションを選びました。靴下を履くと、かかとが滑りやすいそうです。
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跳ね上げ板の重さは 8.5kgになりましたが、魔法のように軽く跳ね上がります。このように跳ね上げている状態が多いので、裏面の見え方も大切にしました。
この跳ね上げ板が一番の難関でした。強度があって反らないよう 3種類の板を貼り合わせ、丁番や金物の取り付けは、1mm単位での調整が必要でした。