9271_私の一級建築士の試験課題は「アトリウムがある図書館」
昨年の一級建築士の合格発表がタイムラインを賑わせた。私が受験した1992(平成4)年の試験課題は「アトリウムがある図書館」。受験生は試験を終えると、すぐにこの様な復元図を書き残す。大宮から川越へのJR川越線の車中で、忘れないうちにスケッチした。1992年10月のこと、今でも鮮明に覚えている。
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一級建築士の試験は年1回行われる。「学科試験」と「設計製図」の2段階試験になっていて、「学科試験」の合格者のみ、「設計製図」を受験できる。試験課題は事前に公表され、2024(令和6)年度の課題は「大学」だった。
試験会場となる大学の教室で、設計条件と大きな図面用紙が配られる。5時間30分という制限時間内に、要求された図面を書き上げるのだ。「一級建築士製図試験はエスキス(間取り)で決まる」といわれる。たくさんの図面を書かなくてはならず、気持ちは焦るが、そこを我慢して、まずはエスキスを煮詰めることが大切なのだ。
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私が受験した時の課題は、「アトリウムがある図書館」。アトリウムとは、ガラスの屋根で覆われた明るい大規模な空間。1階のエスキス。敷地は交差点の角で公園にも面している敷地。鉄筋コンクリート造の1階建て、延べ面積は2,400m2前後との条件を提示された。
今見ると、公園に面しているという敷地の特性を、全く無視している。公園に図書館の裏側を見せてしまっている。私が採点者なら、大きく減点する間取りだ・・・
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2階のエスキス。2階には150席の小ホールがある。青い部分は階段で、2階から安全に避難できる位置に配置する必要がある。赤い部分はトイレ。当時1992年だったが、車いすで利用できる多目的トイレも求められた。また、エントランスにはスロープもある。当時すでに、バリアフリーに対しての配慮が求められていた。
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最近、訪れる先々で、図書館に立ち寄る。図書館の役割も変わってきている。例えば、学習室。以前は「図書館以外の本を読まないで」などと張り紙があった。しかし最近では、受験勉強や資格取得の勉強のために、積極的に利用させてくれる図書館が多くなっている。私もお世話になっている。
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