最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法 ACTIVE HEALTH
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TODO
ところが、そこに進化論の背景が加わったおかげで、事態は好転しました。もしうまくいかないことがあっても、「ヒトはどう進化してきたのか?」と問いかければ迷子にならずにすむからです。
「人間の消化器系・感覚(味覚と嗅覚)・脳の食欲中枢は、およそ200万年前に発達した。これらの機能は、古代の狩猟採集民たちが暮らした環境に適応している。
その最終目標は、自分の遺伝子が持つポテンシャルを最大まで引き出すこと。ちょっと体重を減らしたり肝臓の数値を良くするだけでなく、脳と体を最適化するのが最終的なゴールでした。
文明病を引き起こすひとつめの要素が「炎症」です。
もうひとつ現代人にとって重要なのが「不安」の問題です。
体内の炎症レベルを見れば老化のスピードが予測できることがわかった。これらのデータは、健康的に年を取るには『炎症対策』がもっとも大事であることを示している」
内臓脂肪が減らない限り体はジワジワと燃え続け、炎症性物質で傷ついた血管や細胞が動脈硬化や脳梗塞の引き金になります。これが、「メタボリックシンドローム」の発症プロセスです。
・狩猟採集民=外傷や感染による短中期的な炎症がメイン。激しい発熱や嘔吐など周囲から見てすぐにわかるような症状が出る。 ・現代の日本人=体内で延々とくすぶる長期的な炎症がメイン。誰にでもわかるような症状は表に出ず、少しずつ不調が進行する。
多すぎる :古代には少なかったものが、現代では豊富すぎる 少なすぎる:古代には豊富だったものが、現代では少なすぎる 新しすぎる:古代には存在していなかったが、近代になって現れた
・平均の睡眠時間が1日7〜9時間の範囲を逸脱すると体内の炎症マーカーが激増する ・夜中に何度も目が覚めてしまうような場合も、体内の炎症は増える
彼らの睡眠は平均6・9〜8・5時間で、この点は先進国と変わりません。しかし、そのパターンは正確そのもので、日暮れから3時間後には必ず眠り、毎朝7時には自然と目を覚まします。 夜中に何度も目が覚めてしまうケースは一度も確認されず、みな一晩で完全に体力を取り戻していました。目が覚めたのに寝床でダラダラしていたり、ボンヤリした頭を抱えながら狩りに出かけることもありません。
その害はほぼ実証済みで、総摂取カロリーのほんの1%をトランス脂肪酸に入れ替えただけでも、悪玉コレステロールの数値は激増します。2005年のハーバード論文でも摂取量が多い人ほど体内の炎症レベルが高いことがわかっており、いまやトランス脂肪酸の害に反対する専門家はいません。 トランス脂肪酸がここまで体に悪いのは、肝臓の働きを乱すからです。 大半のコレステロールは脂質・糖質・タンパク質をもとに肝臓で作られますが、トランス脂肪酸は人体にとって「新しすぎる」せいで上手く材料として使えず、結果として悪玉コレステロールが製造されてしまいます。いわば肝臓がパニックを起こしたような状況
私たちの脳には「人間関係が希薄な環境」に対応するためのシステムが備わっていません。現代のように核家族や地域コミュニティのような仕組みが消えつつある状況では、「孤独」は自分の生存を脅かすものとして認識されます。
原始的な社会では、どのように不安を解決すべきかが明確なのです。 芥川龍之介の「ぼんやりした不安」を現代的な不安とするならば、原始的な不安は「はっきりした不安」と言えるかもしれません。
それでは「不安」の存在理由はなんでしょう? 人類の進化のなかで、「不安」はどのような役割を果たしてきたのでしょうか? 結論から言えば、不安の機能は「アラーム」です。
その答えは、ひとことで言えば「未来の遠さ」です。 いつか体を壊すのではないか……、そのうち生活資金がなくなるのではないか……、やがて大地震で家がなくなるのではないか……。
農耕がもたらした変化のなかでも、もっとも現代人への影響が大きいのが「時間感覚の変化」です。 農耕を効率よく進めるには、長期的なタイムフレームが欠かせません。 秋から初冬にかけて種をまき、変化のない冬を耐えて待ち、ようやく初夏に収穫する……。1年も先のことを考えて行動する習慣は、それまでの人類にとってまったく未知のものでした。ここにおいて、人類は初めて「遠い未来」を思い描かねばならなくなります。
狩猟採集民のタイムフレームは、あくまで「いまここ」がメイン。現代人のように数年先を思い描くようなことはないために、未来の感覚が生じないわけです。 永遠の現在を生きていれば、遠い未来の不安に悩むこともありません。「時間の超越」とは、そういうことです。
空気清浄機には様々な機種が発売されていますが、正しい商品を選ぶポイントはひとつだけ。「HEPA」と呼ばれるフィルタさえ搭載していれば、何を選んでも大差はありません。
すると、普段から発酵食品をよく食べる者ほど心疾患や糖尿病にかかりにくく、早期死亡率も低いことがわかったのです。
特定の食品ばかりを食べないことです。納豆やヨーグルト、キムチなど、すべての発酵食品は、それぞれに特有の細菌を持っています。ヨーグルトならサーモフィラス菌、味噌ならハロフィラス菌、キムチならラクトバチルス・プランタルム菌といった具合です。
・150億CFU以上の菌が入っている……一気に大量の細菌を投入したほうが、荒れた腸内環境には効きやすいことがわかっています ・生存率が高い菌が入っている……プロバイオティクスは胃酸で死んでしまうケースがあるため、できるだけ腸まで届くものを選ばねばなりません。具体的には、前述した菌が入った商品を選んでみてください。
です。 データによれば、食物繊維の摂取量が1日 10 g増えるごとに早期の死亡率が 11%ずつ減っていきます。 ヘタなサプリや健康食品を飲む前に食物繊維を増やしたほうが、よほど病気の予防になりそうです。 食物繊維を増やすには、まず野菜とフルーツの摂取を増やすのが基本です。なかでもゴボウ、寒天、海藻、キノコ類、オクラ、リンゴなどは、腸内細菌が好きな水溶性の食物繊維を豊富にふくむ優良食材。和食に使われる食材には食物繊維が豊富なケースが多く、和風の食事を心がけていれば自然と摂取量も増えて行きます。
ば、「自然とのふれ合いにより、確実に人体の副交感神経は活性化する」というものです。 副交感神経は気持ちが穏やかなときに働き出す自律神経で、日中にたまった疲れやダメージを回復させる働きを持っています。つまり、自然は人体の疲労を回復する働きを持つわけです。
観葉植物を取り入れたら、続いて3つめのステップです。さらに自然との接触を増やすために、今度は「公園」を積極的に活用しましょう。 仕事のあいまに公園で休憩を取る人は多いでしょうが、その効果は多くのデータでも確認されています。
キャンプ、釣り、トレイルランニング、山登り、トレッキングなど、自然とふれ合うアクティビティを増やすほど、あなたの体内の炎症は鎮まっていきます。いまの研究レベルでは「どれぐらい自然のなかで過ごすのが最適か?」という疑問に答えは出せないため、 最終的には自分のライフスタイルを崩さない範囲で、自然との接触レベルを最大化していくのが答えになるでしょう。
ヒトの認知リソースは大勢の友人をさばくようにはできていないため、1回につき5人前後としか親密な人間関係を築けない、というわけです。
それでは、具体的に親密な人間関係を築くためには何をすればいいのでしょうか? 進化のミスマッチという観点からすれば、本当に意識すべきポイントは3つしかありません。それは「時間」「同期」「互恵」です。
相手に信頼感を抱かせるには向こうに好意を伝えるのが第一ですが、心理学で重視されているのが「セルフディスクロージャー」です。これは自分の悩みや秘密を隠さずに打ち明ける行為を意味しており、相手に対して「私はあなたのことを信頼しているからここまで話せるのだ」というシグナルとして働きます。
1 お金と健康に関する心配事 2 自分がイライラしてしまうこと 3 人生で幸福になれること、楽しいこと 4 自分が改善したいこと(体型、性格、なんらかのスキルなど) 5 自分の夢や目標、野望など 6 自分の性生活に関すること 7 自分の弱点やマイナス面 8 自分が怒ってしまう出来事について 9 自分の趣味や興味
10 恥ずかしかった体験、罪悪感を覚えた体験
最近お金がなくて‥‥」や「怒りっぽい性格をなんとかしたいんだよね……」など、相手への相談という形で話を振って行くと、自然に親密さを深めることができ
人体のストレス処理系は、あくまで森やサバンナで出会う緊急の危機に対応するために進化してきたシステムです。 短期的に終わる急性のストレスをさばくのは得意ですが、現代の慢性的なストレスに立ち向かうようにはできていません。
ストレスも同じです。仕事の失敗や職場の人間関係といった日々のストレスはとりあえず応急処置でしのぎつつ、並行して柔軟なメンタルを長期的に作り上げていく必要があるのです。応急処置だけでは大元の問題は解決しませんし、根本治療だけでは成果が出る前に心が折れてしまうでしょう。
狩猟採集民の活動量は、想像をはるかに超えるものでした。 彼らは1日に 75 分のMVPA(中高強度身体活動)を行い、そのレベルは先進国平均の 14・8倍。 60 才を超えた初老のメンバーも 18 才の若者と同じぐらい体を動かしており、コレステロールや炎症に悩む者も確認されませんでした。 MVPAは、早歩きからランニング程度の運動レベルを指します。多くの先進国は「健康維持のためには一週間に150分のMVPAを行うこと」とのガイドラインを設定していますが、その基準をハッザ族はたった2日でクリアしている計算です。
・「週に2回の運動」と「週に4回の運動」を比べた場合、両者に大きな効果の差はない ・運動のレベルは「軽く息があがるぐらい」から「ヘトヘトになるぐらい」までの範囲で行わないと意味がない 基本的には「1回 45 分の少しキツい運動を週に2回」のペースで行うのが、脳機能のアップが見込める最低のラインです。 あなたのパフォーマンスを限界まで発揮させるためにも、ぜひこの基準を守ってみてください。
研究チームは、多くの人がウォーキングの力を過小評価していると言います。 「ウォーキングを行うとコレステロールや血圧が下がり体重も減る。しかし、それらのメリットを合わせても、ウォーキングが心疾患に効く理由の 59%しか説明できない。残りの 41%は、ウォーキングがストレス反応を改善してくれるからだろう」 一般のイメージよりも、ウォーキングは強力なパワーを持っています。イスから立ち上がって数分の散歩をするだけでも、あなたのストレスは激減するのです。 運動がストレスに効く理由には諸説ありますが、もっとも有力視されているのは「エクササイズが体のストレス対策システムを鍛えてくれる」という考え方です。
ポルノやジャンクフードが悪だと言いたいわけではありません。大事なのは、現代にあふれる超正常刺激の存在に気づき、自分の反応を調節していくことです。ポルノやジャンクフードに操られるのではなく、こちらがコントロールする側に立つのです。
人間はむしろ人生から「価値観」を問われているのであり、それに責任をもって答えなくてはならない、との境地にいたりました。明確な「価値観」は、ナチスの迫害すら耐え抜くモチベーションを与えてくれるというのです。
「もしすでに使いきれないほどの金を手に入れ、理想の仕事につき、毎日が幸福感に満ち溢れていて、誰からも尊敬されていたとしたら、私はどのように行動するだろうか? 自分や他者との関わり方はどう変わるだろうか?」
現代を生きる私たちは、狩猟採集民とブッダが編み出したアイデアをミックスさせつつ、できる範囲で死の不安を減らしていくのが現実的です。 そのためのキーワードは、「畏敬」と「観察」です。
多くの狩猟採集社会は、日々の仕事を「遊び」に近いイメージでとらえています。 「生活のために働く者がいるとすれば、それこそが彼らの真の落ち度なのだ」
人間の遊び心は幸福度と高い相関がある」との結論が出ています。 簡単に言えば、遊び心がある人ほど、幸福な人生を送っている傾向があったわけです。
現代人の問題を解決するには、仕事・育児・勉強といった人生のあらゆる面を「遊び化」していく必要があります。 毎朝のように通勤ラッシュにもまれ、顧客に頭を下げながら嫌々ながらの残業をくり返し、帰ったらシャワーを浴びて寝る……。 そんな当たり前の日常を、できる範囲で遊びの場に変えていくのです。
そのルールは社会システムが変わるごとに変更され、キャッチアップしていくだけでも一苦労。ルールが整備されていない遊びほど、プレイヤーのやる気を削ぐものはありません。
生産性が高い従業員ほど決まった間隔で仕事をしており、平均で 52 分ほど働いたら 17 分だけ休むというインターバルを守る傾向があったのです。 彼らは意識的にこのメソッドを組み立てたわけではなく、試行錯誤をくり返すうちに特定のインターバルに行き着いたと言います。
いずれも狩猟採集社会には無縁のタスクなので、うまく処理できないのが当然です。 残念ながら、この問題に根本的な解決はありません。 そもそもヒトの脳がまだ現代的なタスクに対応できていないのだから、どんなに優秀な管理テクニックも応急処置にしかならないでしょう。私たちにできるのは、そんな限界を認めたうえで、現在と未来の心理的な距離を縮めることだけです。
「イフゼン・プランニングにより日常の目標を達成する確率は格段に高まる。その効果量は0・65 だ」 0・65 という効果量はかなり優秀で、これほどのスコアを出したテクニックは多くありません。禁煙、禁酒、ダイエットなど、なんらかのゴールを持っている人はまず試すべきだと言えるでしょう。
①やりとげたいプロジェクトをひとつだけ選ぶ ②そのプロジェクトを達成するときの障害を3つ書き出す ③3つの障害のなかから、もっとも現実に起きる可能性が高いものをひとつだけ選ぶ ④選んだ障害を「イフゼン・プランニング」のフォーマットに落とし込む
「数字のフィードバックは、低コストで大きなインパクトを持つ。この現象は、エクササイズでもビデオゲームでも政策提言でも同じように使えるだろう」
ゴールまでの進行度と平行して数量が増えていくものであれば、人間の脳はなんでも快楽を得られるようにできているのです。 その意味でもっとも手軽なフィードバックは、カレンダーを使った作業のトラッキングでしょう。 方法は簡単で、その日のプロジェクトを達成したら、カレンダーに◯印を付けるだけです。原始的な方法ながらフィードバックの効果は高く、同じ原理を使ったスマホ用のアプリも公開されています。
フィードバックに効果的なのが、オハイオ州立大学の藤田健太郎氏が考案した「アカウンタビリティチャート」です。こちらもシンプルなメソッドで、次のように行います。 ①ノートの真ん中に区切り線を引く ②右側に1日の作業時間を 90 分区切りで書く ③左側に実際にこなした作業内容を書く
メタ認知がなければ、「作業の進行度」や「自分のパフォーマンスレベル」といった抽象的な内容はうまく把握できません。なにがプロジェクトのポイントなのかがわからないため、「なにがわからないのかがわからない」と答える子供と同じような状況になってしまうのです。 この問題を解決するには、意識的にメタ認知を起動させたうえで、プロジェクトの要点をつかむのが一番です。具体的には、毎日のプロジェクトに対して、次の4ステップで自分に質問をくり返してみてください。
投げかけ、「なにがわからないのかがわからない」状態を抜け出す。「企画書が進まないのはデータがそろっていないからだ」「エクササイズのやる気が出ないのは、いつ効果が出るかわからなくて不安だからだ」など、プロジェクトが前に進まない原因を明確化するのが基本。
が、困ったときに考えることはひとつ。「この問題における進化とのミスマッチとは何か?」だけです。つねにヒトの根本に立ち戻って考える限り、道に迷うことはありません。
から「人間は何のために生きているのか?」と質問されたアインシュタイン博士は、こともなげに答えました。 「他人の役に立つためです。そんなことがわからないんですか?」