日本人を研究参加者とした偏見の研究
作成日: 2025/4/30
更新日: 2025/7/17
卒論の指導の都合で偏見について調べものをした記録。日本人の研究参加者の場合にどのような研究が偏見を向ける対象として選ばれているのか。Google Scholarで適当に検索をして心理学の雑誌をいくつかみてみた。
高林久美子(2007).自己への脅威が女性に対する偏見に及ぼす効果: 両面価値的性差別理論からの検討 社会心理学研究,23(2), 119–129. https://doi.org/10.14966/jssp.KJ00004740701
女性への偏見を対象
自己への脅威があるという状況の影響を検討
敵意的な偏見(実験1で検討)と慈悲的な偏見(実験2で検討)
測定は両面価値的性差別尺度(Ambivalent Sexism Inventory)の下位尺度である敵意的性差別尺度(実験1)とBenevolent Sexism (BS)尺度(実験2)
日本語版は,宇井・山本(2001)の社心42回大会の論文集
高林久美子・沼崎誠(2010).女性による伝統的女性と非伝統的女性への偏見とステレオタイプの適用: 潜在レベルからの検討 社会心理学研究,26(2), 141–150. https://doi.org/10.14966/jssp.KJ00006813859
女性への偏見を対象
測定はIAT
石井国雄・田戸岡好香(2015).感染症脅威が日本における高齢者偏見に及ぼす影響の検討 心理学研究,86(3), 240–248. https://doi.org/10.4992/jjpsy.86.14020
高齢者への偏見を対象
感染症脅威が偏見の増加に及ぼす影響を検討
研究1は自分が病気に罹った経験について考えさせるか否かで感染症脅威を操作
研究2は看護専門学校生を対象に,ネガティブムードの影響を統制
測定は日本語版Fraboniエイジズム尺度(原田他,2004)