Scrum@Scale
The Scrum@Scale framework is the brainchild of Dr. Jeff Sutherland, the co-creator of Scrum and the founder of Scrum Inc.
スクラムガイドの共著者の1人である Jeff Sutherland が提案しているスケールするためのスクラムフレームワーク
https://gyazo.com/899147b9cbff036d82346c94109ea143
Scrum@Scale を適用している組織の典型的な組織図
単純な理解としては、スクラムチームがフラクタル構造を持っているという理解をすれば良い。
一般的に広く知られているスクラムからの追加の概念として以下が挙げられる
MS (Meta Scrum)
EMS (Executive Meta Scrum)
SoS (Scrum of Scrum)
EAT (Executive Action Team)
これをまず理解するには、以下の図で語られる 「プロダクトオーナーサイクル」と「スクラムマスターサイクル」を理解する必要がある。
What と How をサイクルとして分けつつ、全ての組織構造をなるべくフラクタル構造を形成して様々な抽象度の問題を扱うというのが Scrum@Scale になっている。
https://gyazo.com/ac14d01a3d4ed31b7966efc3277f3dfb
プロダクトオーナーサイクル
主に What に責任を持つサイクル (Dual Track Agile における Discovery にイメージ近い気がする)
一般的なスクラムでは、プロダクトオーナー1人に少なくともプロダクトについてはほとんどの意思決定の権限があった。
ただし、スケールしていった結果1つのプロダクトに対して複数の観点から複数のチームが関わるという状況になっていく。
e.g. ECサイトがあったとして、「検索チーム」「配送チーム」「購入チーム」etc...
それぞれのドメインに対して1つのスクラムチームを形成すると複数のスクラムチームの方向性を合わせたりする必要が出てくる。その調整の場が Meta Scrum である。
Meta Scrum は、複数のプロダクトオーナーが集まって全体の方向性を揃える場となる。
これの最上位の意思決定組織が Executive Meta Scrum でイメージとして、以下のようなエスカレーションの考え方になる
POが1人で意思決定する (1つのスクラムチームレベル)
Meta Scrum で意思決定する (近しいドメインを担当する複数のスクラムチームレベル)
Executive Meta Scrum で意思決定する (全社的意思決定)
スクラムマスターサイクル
主に How に責任を持つサイクル (Dual Track Agile における Delivery にイメージ近い気がする)
基本的には、通常のスクラムと同じくなるべく独立に動くことができるようなチームを形成する。
その上で複数のスクラムチームで調整しないといけないことがあれば Scrum of Scrum にエスカレーションをした上で解決する。また、Executive Meta Scrum と同様に最上位の How についての意思決定権限は、Executive Action Team にある。
新規の役割について
改めて Scrum@Scale には、上記で説明したものに加えて他にも新規で登場する概念があるので合わせて紹介
SoS (Scrum of Scrum)
スクラムチームのように機能し、スクラムからスケールされたそれ自身の責任、イベント、作成物を持ち、チームプロセスコンポーネントの要求を満たす。スクラムガイドでは最適なチームの規模を10人以下と定義しているが、ハーバードの研究4では、最適なチームの規模は平均で4.6人とされた。よって、スクラムオブスクラムのチームの最適なチーム数は4または5チームである。
SoSM (Scrum of Scrum Master)
SoSMは、共同チームの努力の結果であるプロダクトのリリースと、スクラムオブスクラムの有効性を継続的に改善する責任を負う。これには、チームのスループットの向上、コストの削減、品質の向上が含まれる。
EAT (Executive Action Team)
アジャイル組織全体に対してスクラムマスターの責任を果たす
スクラムオブスクラム(または、より広範なネットワーク)のメンバーで取り除くことができない障害物を除去する責任を負う。したがって、それを除去するために政治的、財務的に権限を与えられた個人で構成されなければならない。エグゼクティブアクションチームの機能は、複数のスクラムオブスクラム(または、より広範なネットワーク)を調整することと、組織内の非アジャイル部分とインタフェースすることである。
MS (Meta Scrum)
EMS の中間にさらに階層が必要な場合に設置する (役割は同じで問題の抽象度が異なる)
CPO (Chief Product Owner)
プロダクトオーナーチームと一緒に優先順位を調整する。共同でバックログの優先順位をステークホルダーと顧客のニーズに合わせる。CPOは、この役割を兼任する個別チームのプロダクトオーナーである場合もあれば、この役割に専任した個人の場合もある
関連するスクラムオブスクラムマスターとともに、リリースプランに従ったプロダクトインクリメントの効率的なデリバリーに責任を負う。
EMS (Executive Meta Scrum)
リーダーの動的グループが、組織のビジョンと戦略的な優先順位を設定し、共通のゴールに沿って全チームの方向性を揃える。効果的に行うために、チーフプロダクトオーナーがファシリテートし、各チームのプロダクトオーナー(またはその代理)が出席しなければならない。このイベントは、スクラムオブスクラム内でバックログの方向性を揃えるために、必要な頻度で行う(少なくとも各スプリントで1回)。理想は、このリーダーのグループがスクラムチームとして活動することである。