他者と働く
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なぜこの本を読んだか
社内で話題になっていたので改めてちゃんと読んでみた
何が書かれている本か
問題は「技術的問題」(既存の知識・方法で解決できる問題) と「適応課題」 (関係の中で生じる問題) に分けられて、後者の「適応課題」について人と人の関係性の中で生じるため論理だけでは解決されないことも多く、本書の中でいかにして解決に向かっていけるかが書かれている。
メモ
ロナルド・ハイフェッツ氏は、問題を以下の2つに分類した
技術的問題: 既存の知識・方法で解決できる問題
適応課題: 関係の中で生じる問題
-> このうち適応課題は、人と人の関係の中で発生するため究極には「対話」 (= 本書では「新しい関係性を構築すること」とも言っている) でしか解決されない
適応課題の4タイプ
ギャップ型
「ギャップ型」は、大切にしている「価値観」と実際の「行動」にギャップが生じるケース
対立型
「対立型」は、互いの「コミットメント」が対立するケース
...
どちらもお互いの「合理性の根拠」に即して正しいことがすれ違ったために問題が生じます。合理性の根拠、つまり、枠組みの違いが対立を生むのであり、これをどう解消してくのかに挑む必要が出てきます。
抑圧型
「抑圧型」は、「言いにいくいことを言わない」ケースです。
回避型
「回避型」は、痛みや恐れを伴う本質的な問題を回避するために、逃げたり別の行動にすり替えたりするケース
対話 = 新しい関係性を築くこと = 互いの「ナラティヴ」の溝に橋を架ける
ナラティヴとは
「ナラティヴ (narrative)」とは物語、つまりその語りを生み出す「解釈の枠組み」のことです。
...
いくつか例を挙げてみましょう。上司と部下の関係では、上司は部下を指導し、評価することが求められる中で、部下にも従順さを求めるナラティヴの中で生きていることが多いでしょう。
また部下は部下で、上司にリーダーシップや責任を求め、その解釈に沿わない言動をすると腹を立てたりします。つまり互いに「上司たるもの/部下であるならば、こういう存在であるはず」という暗黙的な解釈の枠組みをもっているはずです。
-> その人に発生している「力学」という方が個人的には捉えやすいなと思っている
ナラティヴアプローチ
1. 準備「溝に気づく」
相手と自分のナラティブに溝 (適応課題) があることに気づく
自分から見える景色を疑う
技術的なアプローチがうまくいかないことに気づく
あたりを見回す
自分のナラティヴを一度脇を置いてみる
溝があることに気づく
関係性が「適応型課題」を生み出していることを認める
2. 観察「溝の向こうを眺める」
相手の言動や状況を見聞きし、溝の位置や相手のナラティブを探る
相手との溝に向き合う
適応課題に取り組むことを決める
対岸の相手の振る舞いをよく見る
相手の言動を観察する
相手を取り巻く対岸の状況をよく見る
相手のナラティヴを観察する
3. 解釈「溝を渡り橋を設計する」
溝を飛び越えて、橋が架けられそうな場所や架け方を探る
溝を越え、対岸を渡る
相手のナラティヴをシミュレーションする
対岸からこちらの岸をよく見る
相手のナラティヴに基づいて自分がどう見えるかを眺める
橋を架けるポイントを探して設計する
「新しい関係性」を作る方法を構想する
4. 介入「溝に橋を架ける」
実際に行動することで、橋 (新しい関係性) 築く
橋を架ける
実際に行動を起こして、新しい関係性を築く
橋を往復して検証する
新しい関係性を通して、さらに観察をする
この中でも「準備」が非常に重要で「今の自分のナラティヴで解釈することを一度保留してみる」ことが大事としている
相手のナラティヴにおいても意味があるようにするにはどうしたらよいのかを考える必要があり、これこそが解釈なのです
1. 観察でわかってきたことを眺めて、そこから相手のナラティヴを自分なりに構成してみる
2. 相手のナラティヴの中に立ってみて自分を眺めると、どう見えるかを知る
3. ナラティヴの溝に架橋できるポイントを、協力者などのリソースを交えて考える
感想
自分がこれまで「力学」となんとなく呼んでいたものの言語化