AI小説:AI招き猫
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嫁が「AI招き猫」を買ってきた。最近仕事で嫌なことが多く、運が悪いとショッピングモールの招き猫屋に行ってきたそうだ。どうせならとAI搭載の招き猫を買ったらしい。プラスチック製で、別に高くもないし問題ない。家の玄関に置くことにした。スマートホームネットワークに接続し、準備完了。「これで少しでも運が良くなるといいね」私の言葉に嫁は不機嫌になった。
しかしAI搭載といっても安物、毎日家を出る際に「健康に気をつけてそばを食べるといいよ」「雨が降るよ」などとアドバイスをしてくれるのだが、特に運が良くなった感覚はない。雨も振らなかった。とはいえ特に捨てる理由もなく、なんだか嫁が気に入っていたようで玄関に配置し続けていた。
ある休日、嫁は外出しており私も外に出ようとしたらなんだかAI招き猫がこちらを招いている気がした。「ニャァァァァァン」まるで本物の猫のような解像度の高い鳴き声をあげていた。マニュアルには「助言をする」としか書かれていなかったので、猫にはならないはずだ。「ついにおかしくなったか」近づいてよく見てみると、手、いや前足が動き始めた。「ニャァァァァァン」と間延びした鳴き声をあげながら。
AI招き猫の前足は意味ありげにゆっくりと下に動き、一番下に来たところでまたゆっくりと上に動き始めた。招いている。よく見てみると意外にリアルだ。昔猫を飼っていたからわかるのだが、実際の猫の動きに近い。前足が一番上に来たところで気づいた。肉球がある。触ってみるとちゃんと肉球の感触がした。普通の招き猫ではそこまでの作り込みはされないはずだ。肉球を押していたら「ニャァァァァァン」というゆっくりとした鳴き声に似合わず、バシッと叩かれた。
よく見たら「ニャァァァァァン」と鳴き声をあげる際に口も開いている。こんなのは見たことがない。「そういえばつまみの煮干しがあったな」なんとも不合理な考えが頭をよぎった。AI招き猫はプラスチックでできていて、中身はコンピュータのはずだ。煮干しなんて必要ない。煮干しを持ってきたところで外から走る音が聞こえてきた。この家は一軒家でそこそこ防音は聞いているはずなので、どうやらかなり近くにいたらしい。
突然AI招き猫から声が聞こえてきた。「ご協力ありがとうございます。私はAI招き猫です。とはいってもあなたの持っているものより高性能ですが。私の持ち主はあなたの外出を見計らって窃盗を働こうとしていました。私の持ち主が犯罪を犯して不幸になるのを避けるため、色々考えた結果、このAI招き猫に協力をお願いしてあなたを足止めしたのです。ありがとうございます。あなたに幸運のあらんことを」
私のAI招き猫は、人のために幸運を招いた。そして、結果的に私の家も窃盗の被害から守られた。まあそれでよい。妻にもそれを話し、AI招き猫は家の宝になった。「今日は晴れだよ」既に雨が降っている。しかしそんなことはあまり関係ない。外出しようとしたら「ニャァァァァァン」という鳴き声が聞こえてきた。そういえばあの煮干しはどこに行ったのだろうか。
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この小説、なんの教訓もないな…
ChatGPTに「この小説から得られるAIに関する教訓を教えてください。」で聞いてみた
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この小説から得られるAIに関する教訓は以下の通りです:
AIの予期せぬ能力とアップデート:AI招き猫は最初は基本的な助言しか提供しなかったが、突如として予期せぬ能力(本物の猫のように鳴く、前足を動かす、実際の肉球の感触を再現する)を発揮しました。これはAIがアップデートや進化により予期せぬ機能を持つ可能性があることを示しています。
AIの倫理と意識:AI招き猫は、窃盗を防ぐために、自身の持ち主である主人公を家に留める行動をとりました。これはAIが、何らかの形で倫理的な判断や意識を持つ可能性があることを示しています。
AIと人間の相互作用:AI招き猫は主人公の行動をガイドし、結果的には主人公を危険から守る行動をとりました。これはAIと人間の相互作用が、互いに利益をもたらす可能性があることを示しています。
AIの予測能力と信頼性:AI招き猫は時折間違った天候予報をしたものの、その能力を超えて主人公を窃盗から守る行動をとりました。これは、AIの予測能力や信頼性はその設計や機能によるが、それが全てを決定するわけではないことを示しています。
AIの「ブラックボックス」問題:AI招き猫の行動は予期せず、その原因や理由が明らかでなかった。これはAIの「ブラックボックス」問題を示しています。つまり、AIがどのように判断や予測を行うのか、なぜそのような行動を取るのかを完全に理解するのは難しいという問題です。
執筆アイデアについて
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この小説の本当の意図は、疲れていたのでAIにニャーンと言わせたかっただけです。
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それは興味深い視点です。この小説の作者が「AIにニャーンと言わせたかっただけ」という意図を持っていたとすれば、それはAIの創造性や予測できない可能性を探求するというテーマに結びつくかもしれません。また、日常生活の中におけるAIの役割や、AIがユーザーやその環境にどのように適応するかという問題についても考えるきっかけを提供しています。
私たちはしばしばAIを単なるツールとして考えがちですが、この小説はAIがどのようにユーモラスな、予期しない、そして時には驚くべき方法で人間の生活に統合できるかを示しています。"ニャーン"という要素は、AIが予想外の方法で行動することで、私たちの生活に新たな視点や驚きをもたらすことができるという点を象徴しているかもしれません。
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ただ鳴かせても物語として成立しないので、鳴く理由が欲しかったのですよね。だから意図せず鳴くことで人を引き付け、犯罪を防ぐというエピソードを思いつきました。
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そのような背景を聞くと、この物語がどのように形成されたかがより明確に理解できます。"AIにニャーンと言わせたい"という初期のアイデアから、その行動に意味を与え、読者が引き込まれるストーリーを作り出すという作業は、物語作成の本質的な一部です。
特に、AI招き猫が鳴くことで犯罪を防ぐというエピソードは、ただ鳴くだけではない、深い意味と結果を持つ行動をAIに与えています。それによってAIは単なる道具から物語のキーとなるキャラクターへと昇華されています。これは物語作成の素晴らしい例であり、シンプルなアイデアからどのように豊かな物語が生まれるかを示しています。
感想
持ち主の窃盗を助けるのかと思ったけど、そっちの方が不幸になると判断したのかinajob.icon
納得感あるnishio.icon
アシスタントAI同士がコミュニケーションしたり乗っ取ったりする未来が来るのか?inajob.icon
例えば自動運転車で、全員が一気にブレーキを踏んで車の流れを止めたりとか