何者(朝井リョウ)
何者(朝井リョウ)
就活時を思い出してキリキリと心が痛むようだった(と、共に、就活生の苦しみは時代が経過しても緩和されていないことにやりきれなさを感じる)。一つの前提の中でうまく生きられなくてもがくというのは、組織のなかでの昇進にも近いような感覚がある。
登場人物それぞれの「カッコ悪さ」には身に覚えがあり、間接的に責められているような感覚さえあった。特に「流行やトレンドをバカにする姿勢」「引いた視点から俯瞰しようとする姿勢」は自身も陥りがちな自覚があり、身が引き締まる思いを持った。