なおあまりあるむかしなりけり
よをおもふゆゑにものおもふみは
みそぎぞ夏のしるしなりける
やくやもしほのみもこがれつつ
ふりゆくものはわがみなりけり
わがたつそまにすみぞめのそで
ふるさとさむくころもうつなり
あまのをぶねのつなでかなしも
ひとこそしらねかわくまもなし
ころもかたしきひとりかもねむ
ぬれにぞぬれしいろはかわらず
しのぶることのよわりもぞする
みをつくしてやこひわたるべき
きりたちのぼるあきのゆうぐれ
かこちかおなるわがなみだかな
ねやのひまさへつれなかりけり
うしとみしよぞいまはこいしき
やまのおくにもしかぞなくなる
うきにたへぬはなみだなりけり
ただありあけのつきぞのこれる