2019年4月7日 長崎弾丸レコーディング旅行オフレポ
わたくしこと、同人サークル8TR戦線行進曲主宰・残田響一(残響)は、ひねもす日がな、島根県の奥地に住んでいます。
8TR戦線行進曲 HP
2014年、同人音楽即売会・M3(東京での開催)に定期的に参加するようになって、島根から全国の様々な場所へふらふらりと旅行をするようになりました。
現在、2019年の春M3に向けて、フルアルバム「Only 8TR BattleFront Songs,Sing sing sing!」を制作しております。今まさに、制作の末期で超修羅場です。
そんな折ですが、4/8(日曜)に、島根県を出て、長崎まで行ってきました。このタイミングで何を?
レコーディングだよ……!!
今回のアルバムは、これまでわたくしが書き溜めてきた曲の「ヴォーカルアレンジ」が主になっております。これまでのシングルでは、わたくし残田が歌っていたのですが(エフェクターかけた疑似ミク声と、下品なダミ声で)、今回、新たにヴォーカリストを招聘して、本格的なヴォーカルアレンジアルバムを制作しております。
そのヴォーカリストとは、うち(サークル8TR)で昔からアルバムジャケット・キャラクターデザインを行って頂いている、小西 裕さん=義実たかさん、です。
小西さん、というのは、義実さんの創作名義です。
ふとした時に今回の「ヴォーカルアレンジフルアルバム」構想をお話しし、「歌うことに興味ありますか?」と尋ねたところ、「いいよー」とお返事。ではなんかカラオケの音源でもお聞かせ願えますか、と尋ねたところ、ある時スカイプで「ほい」と渡されました。
残「……歌、上手っ……」
いや、一番身近なところに、このような美声があったというね。灯台元暗しを地で行く話でした。
そんなわけで、楽曲の制作(ヴォーカル以外の音源)がある程度目途がついた4月上旬の段階で、曲の魂というべき、小西さんのヴォーカルを録音しに、0泊2日(行きも帰りも深夜バス)の強行軍で、長崎まで行ってまいりました。正直、無理をしてるなぁ、というのは誰の目から見ても明らかですが、しかし、これもまた、同人、これもまた同人よ!という、創作の熱が星を貫くのですよ!(意味不明)
そんなわけで、オフレポです。前置き長いですね。
4/7 土曜日
この日も仕事。一日ちょっとの間、家(自宅家業自営業)を空けるので、ちゃんとまじめに仕事をします。
それと、午後からリアル友人が来て、6月の大阪旅行の会議をする。ちなみに、今回の長崎旅行の荷造りをしながらでありますw いや、この友人はそういう残響の非礼を承知で、会議しに来てくれましたが。
大阪旅行……6/23(日曜)に、大阪なんばで行われる、同人音楽即売会「音けっと 第三楽章」に、サークル・8TR戦線行進曲は出るのです。M3の一か月半後に。自分もよくやr(略
その友人は旅行とヒコーキの撮影が趣味で、「ならちょっとイベント設営を手伝って」という形で、去年の初回・音けっと参加の時も同じ旅程を組んだ
持っていくものは、
ヴォーカル以外の音源を入れたMTR(マルチ・トラック・レコーダー。自分のメイン録音機材)
予備のMTR(これが今回とても大事だった)
簡易キーボード(カシオのほとんどオモチャみたいなチープキーボード。通称カシオコア)
マイク、ケーブル各種
歌詞を書いた紙、バインダー(以外にこれが重宝した)
ヘッドホン、チェック用イヤホン(かさばる)
そのほか着替えなど、国内旅行の準備
義実さんへのおみやげを買っていくのを忘れるという外道ですね。長崎について、昼ごろに気づきました。嗚呼。
ところで、パソコン(DAW)を持っていくかどうか、最後まで悩んだのですが、「一番使い慣れているMTRのほうがいいだろう」というのと、「PCにつないでいるソフト・シンセサイザーの調子がすこぶる悪い」というので、今回PCの荷物をやめ、MTRにしました。
夜中の21時、駅に向けて家人の車で出立。
車での移動の途中、まるまるさんから電話がかかる。あれっ?義実さん、まるまるさんに長崎行のことを告げたのかな?と思いましたが、そうではなく、単に偶然、ノリで残響に電話をかけてくださったご様子。家の外に椅子を持ち出して桜を見ながらお酒を飲む、という「チェアリング」をたしなみながらの電話でした。
先日、残響が読んで面白かったこの本を紹介したのでした
ここで。随分、ザンキョさんはここで登場する義実さんや、まるまるさんと、旧知の間柄みたいに話をしてるな、という点ですが。自分や義実さん、まるまるさん、そしてこの旅日記でも項目のある、山梨でのオフ会でお世話になったシグシグさん。皆、Nagaleさんという、書家/テキストサイト管理人の方の、サイトの常連なのです。
Nagale's Homepage「岳流」
年に一度クリスマスの時に「座談会」と称して、延々駄弁る会を、残響が参加してからもすでに9年行っていまして。そう、残響が一番の新参なのです。
そういうお付き合いがありまして。さらに、しばしば座談会メンバーが、都合がつくときにふらっとほかのメンバーの地元にオフ会で行く、というのもあります。不思議な関係です。しかし、悪徳の荒野たるインタネッツのなかでの、純然たる奇跡だとも思っています。
話は元に戻しまして。
そんなまるまるさんの粋なほろ酔いとお話をしながら、「多分このレコーディングは成功に終わるだろう」という予感を抱いていました。まるまるさんからは、最近の小ネタをお話ししたりとか、残響の自分の作品の感想をいただいたり、とか、和やかにお話させていただいて。幸先が良い!と思ったものです。
出雲市駅。
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(画像が小さかったら、画像をクリックするか、ついったーのリンクからどうぞ)
毎回の旅支度ですが、今回、赤いキャリーに、とことんレコーディング機材を詰めております。なかなかに33歳、攻めております。
深夜バス「出雲博多ドリーム号」に乗って、いざ長崎!(これ、水曜どうでしょうでキングとおなじみの「はかた号」とは違いますよねぇ……でもなんかなぁ……)
おにぎりなどの夜食を食べ、深夜バスの旅情とともに、うとうとと眠りにつきます。
なにせ、この日、あまり寝ていないのです。前日、義実さんから、唐突に自作曲の「歌詞2番を作ってみた」とついったーDMが来て。「ぬおお!パッションが熱い!」と感銘をうけ、こちらも早朝からその2番の歌詞を、楽曲に組み込んで、仕事前に義実さんに送り付けていたのです。結構やりますね、我々。エクストリームですね。
4/8 日曜
いつのまにか寝ていて、気づいたら途中休憩、壇之浦、関門海峡
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……遠くまで来たなぁ、と。どことなく打ち付ける潮風、黎明を感じさせる夜闇。寒すぎるトイレ、そしてコンビニ的な食物補給施設はどこも空いていない…………!
そんなこんなで、おなかをすかせながら、博多駅到着。
着いて、長崎行きのバス停を確認して、すぐにしたことは、
吉野家で牛丼を2杯!おかわりっ
……おなかがすいていたんですよぅ。それにしても、朝からかよ、というのと、博多まで来て吉野家かよ、という。周りには少しアウトロー気味な女性と、出張風の壮年と。ああ、旅情だなぁ、と思いながら牛丼2杯。あったかいナリィ……
で、長崎行きのバスを待ちながら、バスの中で滞納していたついったーのリプライやDM返信を行い、義実さんに連絡。
博多の町を、バスは抜けていく。
やっぱり博多は都会なんだなぁ、と、ビル群や、立体的な道路交通を見ながら思う。
そしたら、すぐ、ぱぁーーっと開けてきたところに、海!
なるほど、臨海都市だから、ここまで海が近い!そしてデカすぎるフェリーが停泊! うーん、この異国情緒。旅のテンションが上がってくるのこころであります。
やがて、バスは都市部を離れ、まるで奈良みたいなおだやかな山並みの谷山のほうへ。高速道路を、なんともカットばしていくバス、車、バス。当然わが高速バスも負けてはいない。レースやってるんじゃないっていう。
九州で驚いたのが、この「スピードレーサー」っぷりですね。日頃、ぼんやりした車の走行が主なシマーネ農業王国に住んでいるものですから。つい、牛車めいた牧歌が普通と思っていました。い、いやしかしそれを考えても早いぞきうしうは……
2、3時間くらいかけて、降車地のバス停でおります。なんだかポカポカというか、初夏みたいな陽気です。
ほどなくして、義実さんと合流。
残「いやいや迎えにきてもらってすいません」
義「どうもどうもお久しです……で、カラオケボックス、にするんですか?」
お久し、というのは、昨年の第二回ごうつホビー祭り(島根県西部、江津市)で、自分と義実さんはお目見えしてるからで。
カラオケ、というのは……いちおう、ね。自分もレコーディングということで、長崎の島村楽器の貸しスタジオをあたってみたんですよ。ところが、「満室」。
しょうがないから、義実さんのいきつけのカラオケボックスでレコーディングする、という苦肉の策。
で、行きました。義実さんの行きつけのカラオケボックス。朝なので、人が少ない(この油断が、あとで大きなピンチを招く)。
手慣れた様子で受け付けの手続きをする義実さんの頼りがい。なにせ、残響さんはこの10年で、2回しかカラオケに行っていないのです……(本当)
なので、手慣れたところ、がレコーディングをするには適しているだろう、と義実さんを説き伏せていた残響でありました。
ボックス内。キャリーを広げ……
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カラオケ屋にこんなもの持ち込んでどうする。
しかし、これをやりにきたのであります。レコーディングだよ! 自分はヘッドホンをし、義実さんにサウンドチェック用のイヤホンと、そしてマイクを渡します。このマイクのおかげで、他のボックスでのカラオケ熱唱が録音されずにすみました。いや、M3で売るとなると、ひとさまの曲の著作権がね……w
レコーディングの話については……ええと、まあ技術的な話なので、なにをはなせばいいんだ。とにかく、ここでは「頑張りました!」とだけ。あとは作品で語りましょう。昼過ぎ、10時30分あたりから、13時30分までしっかり行いました。だいたい全体の半分は、なんとか録音しました。
むしろ、自分がメインMTRの設定で、録音データのバックアップ手段がうまくいかず、というトラブル。ここで「予備のMTRに、録音データを逃がす」という手法を義実さんがとっさに編み出してくださったので、そういった作業をしつつ。これのおかげで、かなり助かりました。
義実さんがどれだけ真摯に歌い、サウンドチェックをしてくれたか、については、春M3の新譜で証明しますぜ!(自分を追い込んでいくスタイル)
長崎観光
佐世保の町に、行きます。
さすがに、ずーーーっとレコーディングだったら、息もつまるし、疲れるし、レコーディング判断基準もブレるし、ということで(実際、疲れでそのきらいはあった)。
本当に長崎は坂道が多いなぁ、と思いながら、佐世保の中心に行き、佐世保のアーケード商店街へと。
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まず、遅めの昼食を、ということで、レモンステーキ!をここでは食べなくちゃね!と、いただきました。甘じょっぱい醤油ベースのタレに、やわらかい肉。レモンの香り、バターのコク。まさにライスが進みますが、そのライスも、上記の妙なるソースとからめて食べると、もう素晴らしいわけです。今も舌にあの味が残っておりますぜ……。当然、こういう状況で、いろんな話が花咲かないわけがなく。お互いの知己であるとか、創作論であるとか、サークルの話、世界観の話であるとか。
義実さん行きつけの模型屋に行く。キットや模型作品の陳列がとても丁寧できれいで、しかも休日で常連さんたちがひっきりなしに入っている、「愛されている店」なんだなぁ、と思いました。おそらく店主氏が、奥のスペースでラジコンヘリの工作をしていたので、やはり「工作愛こそが、工作愛を呼ぶ」のだ、と思いましたね。
さて、岡山でも山梨でも、段ボールひと箱やらかしていた残響さんですが、いいかげん学習したのか、キットはここでは買わず。LEDのユニットだけを買いました。(買ってるんじゃねぇか)
それから書店に行って、義実さんが模型雑誌やきららフォワードを探している間、残響がロシア語の本を買って「ここ外国語の品ぞろえいいですよ!」と義実さんに言って呆れられたり、レコード屋でカセットテープを物色したり、茶室も完備した和菓子屋に行って、季節の和菓子を買う所作をさらっと行う義実さんに文化を感じたり、と。
佐世保の商店街は、なんとも「文化の奥行き」がある街でした。いろんな店舗が、己の矜持を持っている。町全体が、そういう奥行きを持っている。文化は、商品の量だの、配送の速さだのではありません、人なのです……と思ったり。いくら弾丸REC旅行とはいえ、こういうところを見ずして何が旅よ!という話でありますので、義実さんには感謝であります。
レコーディング後半
さあカラオケ屋を移してレコーディング後半だ……と思ったら、日曜の午後、なんだかどのカラオケ屋も「満席」になっている。40分待ちが、どこも、という。
残「えーーーー」
義「えーーーー」
これは予想外でした。あまりに朝の、義実さんの行きつけのカラオケ屋がのんびりぼんやりしていたので、どこもサラっと入れるだろう、とタカをくくっていたのです。
これはまずい。最悪、義実さんの車のなかでの車中レコーディングになってしまう。なんのために長崎まで来たのか。レコーディングだろう! と、危機感にかられ、一番最初の義実さん行きつけのカラオケ屋に戻る。
なんとか一室確保できたので、レコーディング再開。
そして、「ヴォーカル曲、全曲」録音終了して、バックアップもとって、長崎レコーディングが無事すみました。
残「ありがとうございましたー!」
そして、義実さんが佐世保の駅まで送ってくださる。
佐世保はもともと軍港の町なので、船が多く停泊している、まさに異国情緒。
駅の前からして、このロケーションですよ
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急いで写真をとったので、あまり良い写真ではありませんが、しかしこの港の風景。香る潮風みなもにそよぎ、暮れなずむ空、ポーーと実際のリアル汽笛が鳴って、遊覧船が停泊してくる。なんだこの絵は……なんだこの画はっ!
それから博多行きのバスの切符を買い、義実さんと夜麻みゆき先生の話をしまくって、お別れをする。しかもおみやげまでいただいて。
残「この贅沢、借り、次回は、第三回しまね(ごうつ)ホビー祭りで、ですかね?」
義「模型作品制作、頑張りましょう。もちろん、春M3のアルバムもw」
残「まずはそれですよねw」
ということで、夜迫る佐世保を、離れる……。
なんと素晴らしかったことでありましょうか。贅沢者であります、わたくしは。
ラストでしょうもないトラブル
一日、旅路&レコーディングで、さすがに汗をかきまくった。こういうときは、サラっとスパ施設に入るのがよろしい。シャワーを浴びるのだ。ということで、駅前のスパ施設で汗をながし、ぼんやりする。そして、うとうとしてし……ま……う……
寝落ちってやつですね。
…………気付いたとき。
青ざめるとは、このことです。
残「ギャーッ!帰りのバスの時間っ!」
ご飯なんて食べている余裕はないっ! とにかくダッシュ!ダッシュ!博多の町を駆ける!しょうもない理由で駆ける!ガチできうしうから帰れなくなるっ!
バス停。バスが、なんとか発車前で居た!しかしドアが閉まっている!ドンドン!と精いっぱい叩き、運転手氏に気づいてもらう。
残「ほんとにほんとにすいませんーーーーっ!」
平謝りとはこのことであります。バスに乗って、椅子に座って、しばらくぜはーぜはーと荒い息。もはや自分など何も信じられない。
まあ、なんとか博多を発つバスに間に合って、一路島根へとバスは行くのでありました。残響さん(愚か)も、気づいた時には再び寝落ちしていました……
4/8 月曜
そして、シマーネ農業王国、出雲市に着です。朝8時。家人の車に迎えに来てもらいました。
帰宅したら、何をするのかって?
仕事だよ。
あとがき
お読みくださりありがとうございます。いろんな意味でのドタバタ珍道中でした。それを踏まえたとしても、この長崎弾丸レコーディング旅行、大変楽しかったです!
自分も、こういうドタバタ同人旅行が、この先、体力的・金銭的・時間の余裕、仕事の余裕的に、どれくらいできるのかなぁ?とかってぼんやり考えてしまうわけですが、しかし今から危惧したってしょうがないですし、今、目の前のことを精いっぱいやっていき、生活の中で創作を楽しんでいく、これが同人なのでしょう。
きっと自分は、そういう同人生活を、いつになっても、しつこく想い出として、思い返すのだと思います。
改めまして、今回の旅行で、ナビゲートをしてくださり、そして長丁場のレコーディングに専念してくださった義実さん=小西さんに、最大の感謝をささげます。ありがとうございました。しかし、それにまずお答えするのは、やはり「作品」で、ですから、これからまた制作作業に戻ります。春M3を、よいイベントにしていきたいです!
次回のイベント参加は、そう、4/28 日曜 春M3(東京)
です。
それから、
6/23 日曜 大阪なんば 音けっと第三楽章
6/28 金曜 神戸 人間椅子ライヴ
6/29 土曜 東京 Ariabl'eyeSライヴ
8月末 島根県西部 第三回しまね(ごうつ)ホビー祭り
というのが、自分のイベント参加スケジュールですね。
ではでは
残響(8TR戦線行進曲)