913-JP
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著者
出版社
出版年
概要 一言で書く
913.6 近代:明治以後
品田遊, 『名称未設定ファイル』, キノブックス, 2017年
短篇集。人生全部レコメンドされる「この商品を買っている人が買っている商品を買っている人は」、個人の人生ヲチスレのログ「亀ヶ谷典久の動向を見守るスレpart2836」あたりが好き。
GIF動画の人物に自我が発生する「GIF FILE」はSCPでありそう。読んだ人みんなそう思ってそう。
花房観音, 『花祀り』, 幻冬舎, 2013年
官能小説を読んだことなかったので読んだ。
癖の強いエロ漫画をノベライズした風。パワーワードが飛び出すし強烈な登場人物が出てくる。
『日月の歌語り』シリーズ
『腥血と遠吠え』
oct24.icon吸血鬼にはそれぞれ止まった心臓を動かせる運命の相手がいて、ヴェルギルの場合それがクヴァルドだということと、ヴェルギルの過去(人間だった頃)に迫る物語の展開が噛み合っててよかった。
序盤のヴェルギルは吸血鬼らしい耽美な外見で想像してたが、話が進むほど血の通った人間の面が見えてくる。
oct24.icon陰のあるきれいな攻めと主人公気質でガタイいい受けはあんまり通ってないんですが、おいしくいただきました。
『日輪と徒花』
oct24.iconヴェルギル受けが読めたので満足しました。
oct24.icon文章がすっきりして読みやすくなった気がする?
横溝正史, 『犬神家の一族』, KADOKAWA, 1972年
oct24.icon断片的に知ってはいたがちゃんと読んでなかったので読んだ。こんな話だったのか。
連続殺人だし一日ひとりくらいのペースで死んでくんだろうと思ってたら全然そんなことはなく、何か月も膠着状態が続いたりして、結構のんびりしていた。
『牙狼王子の純真』
oct24.icon文章が合わなくて読むのにものすごく時間がかかった……。
難しいとか意味の取りづらい文章は少ないが、単純な言い回しが繰り返し使われるのがつらい。
「ジョーカー・ゲーム」シリーズ
『ジョーカー・ゲーム』 / 『ダブル・ジョーカー』 / 『パラダイス・ロスト』
oct24.iconスパイものだし軍人さんがいっぱい出るんだからバカスカ死ぬと思っていたが、そんなことはなかった。そこそこ死にはするけどそこは重要じゃないというか、結城中佐の教えが「死ぬな、殺すな」なので……。
スパイというと任務と個人の間で板挟みを想像しがちだけど、ここに出てくるスパイの皆さんはほとんどそういう葛藤をしない性質の持ち主なので気を遣わずに読めた。
スパイの皆さんは出てくるたびに名前も経歴も変わるので、覚えなくていいのが助かった。
『君の箱庭はふたりの楽園』
受けの振る舞いが実年齢に対して幼すぎて心配になった。意外と自分に倫理観があると分かった。
『唇の温度』
『哂う月の夜』(上)
あらすじから受けは普通の大学生かと思ってたら、スーパー受け様でおったまげた。
法学部で主席、男を惑わす容姿をもち、殺人も躊躇しない。強い。
ここまでハイスペックなら、卒業させて普通に働かせた方がヤクザ的に捗ったんじゃなかろうか。
様式美というやつもありますので、この辺あれこれいうのも野暮だと分かってはいるが……。
『僕の行方』
受けが普通に殺されかけるのが逆に新鮮。BL小説の悪いモブに受けが強姦(未遂)されないとは!
記憶喪失の原因が気になって、恋愛描写に集中できない。
受けは記憶がないときの攻めとの関係のほうを気にして、不自然に触れられないため逆に意識してしまう。
受けが意識しないだけで、最初に記憶を失った原因を明らかにするための布石は序盤から敷かれている。
眉村卓, 『なぞの転校生』, 講談社, 2013年
九龍妖魔學園紀の章タイトルの元ネタを読んだことないので読むことにした。
もとは1980年頃書かれた話だが、2013年の作者が読み返して「楽観的すぎるのではないか」と思うようになったというのがちょっと悲しい。2022年のいち読者からすれば、2013年の著者の感想は否定できないのがまた。
『不自由な夏が恋を教えた』
スランプに陥った駆け出し映画監督が、夏の間故郷で休養する話。
本編1ページ目(数行プロローグがあって、その次)から脱字にぶつかったが、そこを乗り越えたら面白かった。
粗削りで心配になるところもあったけど、最後にきっちり盛り上げてくれたので読後感がよい。
受けの実家が突然暗黒メガコーポと化したのは、話の都合でスケールが大きくなったように感じた。
地元で威光があって兄の件では無理を通せてしまったからこそ、弟についても(実際に主人公のキャリアを潰すとかはできないまでも)強硬な姿勢になっている……くらいでよかったのでは。
兄が車で通りがかるシーンとか、春原と受けが知り合うシーンに取ってつけた感がある。
原田ひ香, 『三千円の使いかた』, 中央公論新社, 2021年
ある家族の祖母、嫁、孫娘2人の視点から、お金と家族にまつわるできごとを描く。
一家と血縁関係になく、定職に就かず家庭も持つつもりがない男性視点の話もある。
ある人からはしっかりして見える人でも、その人の主観になると他の悩みを抱えてたりする。
母がお金のやりくりに関する本だと勘違いして買った。読んだら面白かったといって勧められた。
普段なら絶対手に取らないタイプの本なので、読めてよかったとは思う。
母からは今後の人生設計の参考にしてほしい意図を感じたが、具体的な参考にはならない。
有栖川有栖, 『ダリの繭』, 角川文庫, 1993年
有栖川有栖, 『海のある奈良に死す』, 角川文庫, 1998年
「仕事が終わった!」という書き出しのすがすがしさが好き。
あとがきによれば、作者が専業作家になって初めての連載で、サラリーマン生活との決別と作家として進む決意が発露したのかもしれない、とのこと。
事情は全然知らなかったけどグッときたってことは、作者の込めた念は意外と読者に察知されるものなのかなあ。
レンタルビデオ店に慣れてなくてあらぬ方向に向かっちゃう火村先生がかわいい。
ヘルレイザー3のパッケージを「こわそうやろう」と見せてあげるアリスもかわいい。
有栖川有栖, 『桜川のオフィーリア』, e-novels, 2007年
有栖川有栖, 『濱地健三郎の霊なる事件簿』, 角川文庫, 2020年
助手の志摩ユリエも濱地健三郎の年齢を知らないらしい。ということは、算定基礎届の提出とか年末調整とかは濱地がやっているのか? 生年月日が割れる事務を助手に一切任せないのは難易度高そう。
桜部さく, 『王子の政略婚』, ラルーナ文庫, 2022年
オメガバースものを食わず嫌いしていたので、味を知るために読んだ。挿絵がある。
王子として育った主人公を嫁入りさせるギミックでしかないので、この目的には合わなかったかも。
文章は読みやすいが、起伏がない。
恋愛描写が大事なジャンルで、感情の盛り上がらない文章を読むのは辛い。
政略結婚ものにオメガバース要素を入れたらどうなるかを詰めれば筆致に合いそうだが、細かい設定はあまり気にせず話が進むので、そういう話はメインディッシュではないのだろう。
田花喜佐一, 『Liwyathan the JET』, Hexalmadel BOOKS, 2021年
二次創作BL小説書いてる人の創作BL小説を読んで自分の感じることを比較したかった。
急に一段落だけ一人称視点になり、次の段落では三人称に戻ってることがある。独特な癖(?)だ。
高畑京一郎, 『タイム・リープ』, 1995年
上下巻に分かれているが、下巻は短い。一体なぜ二冊になったんだ。
全編描写に無駄がない。冒頭の客に出すには若干不自然な缶詰のフルーツにも理由があるとは。
タイムリープの理屈が危機に瀕した意識が安全を求めて過去未来にに飛ぶのは面白い。
秋山瑞人, 『猫の地球儀』, KADOKAWA
表紙にいる女の子がまさかまともな応答をほとんどしないとは思わんかった。
シャボン玉作って遊ぶところから最後の展開はドキドキしてよかった。
が、焔と幽があそこまでバトルしたがったのかは正直よくわからん。焔はまあそういう子だけど……。
生きて地球儀に行くのがなんでそんなに悪いことになってるのかもわからん。
欺瞞的な教えが一般猫にとってどう救いになってるかが分からんかった。
死んだ猫の魂は地球儀に行くことと、生きて地球儀に行けることは両立できる気がする。
生きて地球儀に行っても別に魂に会えたりはしないよ、でいいのでは。
秋月こお, 富士見二丁目交響楽団シリーズ, KADOKAWA
第一部: 『寒冷前線コンダクター』『さまよえるバイオリニスト』『マンハッタン・ソナタ』『リサイタル狂騒曲』
読点じゃなくて中点(・)でセリフを区切る書き方を見つけた! 実際に使われてたのか!
二次創作小説で使われていたけど、見覚えのないやり方で首を捻っていたのだった。
読点との使い分けが謎。法則性が分からない。
1994年の『寒冷前線コンダクター』では使われているが、続刊ではなりを潜めている。
第一部を締めくくる『リサイタル狂騒曲』が1995年。1年で書き方の作法がそんなに変わるだろうか。
挿絵があるが、本文中のリンクから末尾の挿絵ギャラリーに遷移する仕様になっている。
二次元の表紙と挿絵を見たくない私のような読者はリンクを無視すればいい。安心!
挿絵へのリンクをあらわす文字列が「>>>❤」なのは、いいんだか悪いんだか分からん。
どシリアスな場面でも突如画面にハートが飛び込んでくる。ハラハラしなくて済むのは助かる。
宮緒葵, 『華獣【特別版】』, 笠倉出版社, 2020年
中華ファンタジー。
攻めから受けへの執着心が強い。セリフがモブおじさんと紙一重になる瞬間があってハラハラした。
顔を一致させられないので表紙と挿絵を見たくないけど、今回ばかりはあってよかったと思う。
描写自体はそんなにないが、冷遇の一環として成人の儀をさせてもらえないのはいい。
社会的には子供扱いになるので、年齢制限をクリアしながら背徳感を出せる。
意地の悪い異母弟がいて、そちらはもちろん成人しているのもよい。
有栖川有栖, 『朱色の研究』, KADOKAWA,
崖上からの投石も普通に殺すつもりだったんかい! いかにも現実的じゃなさそうだったのに……。
こんな不確実なやり方で殺害を依頼する方もする方だし了解する方もする方だよ。
有栖川有栖, 『狩人の悪夢』, KADOKAWA, 2019年
有栖川有栖, 『高原のフーダニット』, 徳間書店, 2014年
殊能将之, 『鏡の中は日曜日』, 講談社, 2005年
シリーズものだと知らずに読んだ。めちゃくちゃ面白かった。
「鏡の中は日曜日」がメインで「樒」と「榁」は小噺なのだが、「鏡の中は日曜日」を読み終わって、後の二つをどんな気持ちで読めばいいのか分からなくなった。おかげで中々読み進められなかった。
水城優臣と鮎井郁介の(左右は問わないのでこういう書き方になる)BL二次創作書いたら鮎井が発狂しそうでウケる。「女」を取れば完全無欠の名探偵が残るなんて甘いんだよな。我々は火のない所に煙を立てていくぞ。
高井浩章, 『おカネの教室: 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』, 株式会社インプレス, 2018年
NDC分類だとこれ小説扱いなのか……。確かに思っていたより物語仕立てではあった。
有栖川有栖, 『怪しい店』, KADOKAWA, 2016年
有栖川有栖, 『こうして誰もいなくなった』, KADOKAWA, 2021年