『殺人ゲーム』
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table:書誌情報
ステファニー・キング・シリーズの2作目らしい。1作目は未訳。
ステファニーとガスは1作目でいきなり別れたかなんかしたようなのだが、割とすぐよりを戻した。
仕事のパートナーとしても息が合っているので、このまま公私共に相棒になってほしい。
被害者と同じ年恰好の娘が同じ日に同じ場所で失踪している時点で、ああそういうやつね……となる。
それにしても結婚式前日の夜に訪問して「雇ってください!」って海外では普通なの?
結婚式の準備で臨時に雇われていて、その日偶然遅くまで残っていたとかの方が自然なように思う。
タトゥーの有無という露骨な違いがあるのに入れ替わりが成立するのもびっくり。
ルーカスがどの程度本気でゲームをする気だったのか分からない。
犯人に見当がついていて、そいつを苦しめるためにゲームを主催して、ほかの友人が巻き添えになっても構わないのかと思っていたが、本当に誰がやってのか分かっていなかったっぽいんだよな……。
推理小説の登場人物じゃあるまいし、1年前のある夜の行動を覚えてるわけないだろ!
陸の孤島でインターネットが使えないと思いきやケーブル抜いてるだけでルータ自体は置きっぱなし、何ならルータのパスワードが本体記載のやつのままなので頭を抱えた。もっと真面目にやれ! 謎らしい謎はないというか、謎は多いがどれに手をつければいいか分からないというか。
アレックス誘拐事件の犯人は誰で、どうやってアレックスの居場所を知り得たか?
1年前のアレックス殺害事件の犯人は誰?
ルーカスはなぜ、アレックス殺害事件の夜を再現しようとしているのか?
過去のアレックス誘拐事件が掘り返されると同時に、本編で視点を担うジェマが誘拐されるのが巧い。
アレックスの身に起きたこと(の一部)が疑似的に再現され、アレックスの心情や犯人に対する憤りを登場人物や読者が想像しやすくなっている。
現在の誘拐を行ったのがアレックスを誰より大事にしているルーカスなのも感情を掻き立てる。
アレックスがどれだけ傷付いたのか知りながらも、アレックスのために、アレックスが体験したこと(の一部)を自分の手で行うことになってしまった。