高度の精神的美に到達した言者たちが浮世を棄てた生活の喜びを味わうように、学者は、われわれの周囲にあっては、すべてが外観と欺瞞とにすぎないことを確信して、あの哲学的憂愁に陶酔し、穏やかな絶望の怡楽の裡に我を忘れる。これは深くも美しい苦痛なので、この苦痛を味わったことのある人々は、この苦痛を、世俗の軽供浮薄な浮かれ騒ぎやむなしい希望と取り換えようとはしないであろう