荒れ狂う風が海原を鞭打つとき、海辺にいて、岸に立って、船人が難儀しているさまを眺めるのは、楽しいことだ。それは他人の悩めるすがたを見て面白がるというのではない。自分が災悪より免れていることを知って嬉しいのである